南雲が生み出す伊予一刀彫の干支牛、繁忙期迎え全国へ出荷続々

南雲の干支はコンパクト

南雲の干支はコンパクト

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 「南雲」の工房(松山市東垣生町、TEL 089-973-3565)で行われている2009年伊予一刀彫干支飾りの製作が11月に入り繁忙期を迎え、全国に続々と出荷されている。

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 伊予の一刀彫は、まるで一本のノミで彫ったような勢いよくシンプルな仕上がりが特徴。松山の伝統工芸として地元の人をはじめ多くの人に親しまれてきた。

 ともすれば古めかしく華美になる干支飾りも南雲が作るものは、モダンでシンプルな表現。熟練の職人が手作業で木取り、彫り、彩色という行程を能率良くこなし、作品を仕上げていく。本体が10センチ前後というコンパクトなサイズの作品は、マンション住まいでも場所をとらず気軽に飾ることができるという。

 「1年のスタートである干支はネーミングも大事。いいことのある予感の言葉を選んでいる」と話す二代目南雲の西川隆一さん。

 丑年の来年、工房では福を呼ぶ「福牛」(3,675円)、家族をテーマにした「母さんと一緒」(5,250円)、宇和島で有名な牛の格闘をモチーフにした「闘牛」(6,300円)、力強い風ぼうで第50回日本民芸公募展の優秀賞を受賞した「横綱」(10,500円)など9種類の己丑(つちのとうし)や十二支がそろう「吉兆 十二支」(39,900円)などを製作販売している。

 西川さんの作品「三番叟(さんばそう)」は、平成16年用年賀切手にえひめの伝統工芸として初めて採用された。製作を始めてちょうど50年目の節目の出来事に、周囲やマスコミの反響も大きかった。

 「うれしいが、自分にはお墨付きは似合わない」と西川さん。自ら販路を開拓し、販売にも出向く。「いろいろ考えて作っても、決めるのはお客様。喜んでいただけるものを作るため、常に新しいものを投入し続けたい」と希望をふくらませている。

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