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松山市二番町に学生専用無料スペース「Any -youth salon-」

学生専用無料スペース「Any -youth salon-」店内の様子

学生専用無料スペース「Any -youth salon-」店内の様子

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 学生専用スペース「Any -youth salon-」(松山市二番町2)が7月8日にオープンした。18歳以上の現役学生であれば、ドリンクやWiFiなどさまざまなサービスを無料で利用できる。

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 店舗は約24坪の広さに、ロフトを設置した2階建て。ロフト上にはマットを設置し、仮眠スペースとして利用することもできる。座席を設置せず、自由にくつろぐことができるフロアには、フリードリンクのほか、電源やWiFiを完備。照明設備を整えたパウダールーム6席にはヘアアイロンなども備え「学生の『欲しい』が全て手に入るスペース」を目指す。

 運営会社である「089」(二番町2)社長の山本凌也さんは、これまでに学生向けのバーなどを経営しており、「Any -youth salon-」は6店舗目の出店。利用者の学生から料金は受け取らず、企業の広告収入を売り上げにする収益モデルで店舗を運営する。

 店内に設置したモニターに企業ロゴを表示したり、店内にリーフレットなどを設置できるコーナーを設けるほか、学生をモニターとしたアンケート調査や、イベント開催、サンプル商品やサービスの提供などを予定。これまで学生向けの事業運営で培った経験をもとに、企業からの相談に応じて、学生や若者へのアプローチ方法に関する提案なども行う。

 山本さんは学生時代に、収益を途上国に寄付するボランティア団体でイベント運営に携わった経験を持つ。その際、スポンサー企業から「学生にモニターを依頼したい」「情報を広めてほしい」などの相談を多く受けたことから、企業側の「学生にアプローチしたい」というニーズの高さを痛感したという。

 松山市内での店鋪運営を通じて多くの地元学生と関わる中で、学生側が持つ問題点にも気付いた。「多くの地元学生は、企業や社会への興味が非常に薄い。就職活動の段階になって突然社会との関わりを持つことになって戸惑い、企業研究などでつまずく姿を多く見てきた」と山本さんは話す。

 「『Any -youth salon-』を日常的に気軽に使ってもらえれば、学生はその中で自然に企業ロゴを目にしたり製品モニターを経験したりできる。それが社会や企業に興味を持つきっかけとなって、『大手企業にしか目が向かない』という就職活動での失敗を回避したり、より広い視点で自分に合った面白い仕事ができる企業を選べるようになってもらえれば」と利用者への期待を語る。

 『Any -youth salon-』の空間や設備は、山本さんのこれまでの経験に加え、学生が欲しいものは何なのか、何に興味があるのか、どうすればリアクションが得られるのか、などのヒアリングを実施し続けて設計したもの。内装工事も半年以上をかけて、スタッフの助けを借りながら山本さんがほぼ一人で行った。

 「来店した学生が『すごい!おしゃれ!超映える!(インスタグラム)』と言ってくれたのを聞いたときには、今までの苦労が全て吹き飛んだ。学生の『欲しい』が全て手に入る、特別であり、身近な空間。使い方は自由なので、自分なりの活用方法を見つけて楽しんでほしい」と来店を呼び掛ける。

 今後は、月間1000人以上、年間1万人以上来店者を見込む。

 営業時間は12時~18時。利用は18歳以上の現役学生に限り、学生証の提示が必要。問い合わせはSNSのメッセージなどで受け付ける。

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