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松山で「宅タク便」サービス 企業の寄付金でテイクアウトメニューを無料デリバリー

松山市内で行われた「宅タク便」プレテストの様子(5月6日撮影)

松山市内で行われた「宅タク便」プレテストの様子(5月6日撮影)

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 コロナ禍の厳しい状況にテイクアウトメニュー開発で立ち向かう飲食店と、タクシー業界、「ステイホーム」で頑張る人たちを応援しようと、「宅タク便」が5月8日、松山市内でサービスを開始した。

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 「宅タク便(たくたくびん)」は、企業の寄付を、テイクアウトメニューのタクシー配送費用に充てる寄付支援型の取り組み。タクシー事業者に対し、飲食店の宅配代行を許可する国の期間限定の特例措置を受けて、愛媛のビジネス界で活躍する有志の任意団体「たてヨコ愛媛」が企画。実現にこぎ着けた。

 従来よりも割安に設定されたデリバリー用の「特別タクシー料金」のうち、1,000円を「宅タク支援金」で補助するため、利用者は、店舗から4.4キロまでのデリバリーを無料で利用できる。飲食店側の負担もゼロ。配達費用の補助に充てる「宅タク支援金」は、サービスの趣旨に賛同した愛媛県内の応援企業連合による寄付金150万円余りで賄う。

 「宅タク便」の企画運営に携わる「たてヨコ愛媛」の山田敬宏さんは、フェイスブックぺージを利用した松山市内のテイクアウト情報共有サービス「松山テイクアウト部」の運営も手掛ける。

 「『たてヨコ愛媛』の目標は、さまざまな人や企業が縦横無尽につながり、新しい価値を生み出すこと。コロナ禍で多くの人が大変な状況に置かれている今、何ができるかを考えた結果、このサービスを発案した」と山田さん。テイクアウトサービスの販路を拡大する地域の飲食店と、収益の減少に苦しみながらも移動弱者らのために頑張っているタクシー業界、感染拡大防止のため外出自粛をする人たちの三者をそれぞれ応援することを目指す。

 「今回、有志が集まって企画からサービスの提供を始めるまで、わずか1週間というスピードだった。運営に携わるスタッフは全て、松山の経済を応援したいと立ち上がったボランティア。サービスの趣旨に賛同して150万円に上る寄付金を寄せてくれた『応援企業連合』や、タクシー会社への支援金支払手続きを担当してくれる松山商工会議所など、本当に多くの人の力が縦横無尽に繋がって生まれたサービス。飲食店とタクシー業界、そして今を生きる全ての人をつなげ、少しでも前向きになれるように、ハッピ―を生み出していくことができれば」と期待を込める。

 「宅タク便」では、デリバリーサービスに対応する飲食店や、配達に携わるタクシー会社、応援企業などを募集している。

 デリバリーは、2,000円以上の注文で、「特別タクシー料金」1,000円相当の4.4キロまでの配達が無料。店と配達先の距離は最大10キロまで。4.4キロ以上は距離に従って料金が加算され、利用者は「特別タクシー料金」と「宅タク支援金(1,000円)」の差額分、最大1,000円を負担する。利用には、前日までの申し込みが必要。

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