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三津浜商店街で「店覧会」 60歳からの彫刻家・小野信さんの作品も出展

三津浜在住の彫刻家、小野さんが活動する「アトリエ・蜂の巣」と小野さんの作品

三津浜在住の彫刻家、小野さんが活動する「アトリエ・蜂の巣」と小野さんの作品

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 松山の三津浜商店街で商店主らが手掛けたアート作品を展示する「三津浜『店』覧会」が11月2日、始まった。

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 会場は、商店街入り口のじゃこ天店「練り屋正雪」駐車場と、道を挟んだ向かい側にある「アトリエココ」店内など。まちおこし活動やアート、音楽など多彩な活動に携わる人が多い環境を生かして「三津浜クリエーターズ」が企画した。

 出品者の一人である小野信さんは、母が残した商店街内の喫茶店「蜂の巣」(松山市住吉2)にアトリエを構える彫刻家。同店は1950(昭和25)年に開店してから店主が95歳になるまでの60年間、営業を続け、長年にわたって地域の人に親しまれていた。小野さんは「カウンターとボックス席3つ。15人入れば満席になるような小さな喫茶店だが、松山で最初の喫茶店として有名だった」と店の歴史を振り返る。

 もともと趣味で油絵などを描いていた小野さんが彫刻を始めたのは、愛媛に帰郷した40歳のころだったという。雨の日の暇つぶしとして独学で始めた彫刻は、木彫や石こう型で作るブロンズ像などの一般的なものではなく、針金や樹脂、布など、一般的な彫刻の概念を超える素材で作るのが特徴。

 抽象彫刻の草分けで、愛媛の現代美術をリードしてきた彫刻家・森堯茂(たかしげ)さんや、愛媛大学の元美術教授、林俊昭さんらに才能を評価された小野さんは、定年退職を機に彫刻家としての道をまい進するようになった。

 過去には松山市民文化祭で教育長賞などを3年連続受賞し、その後13年間、委嘱作家として同文化祭に出品。金沢美術館や関西国際空港にも作品が展示されている。

 展覧会には、針金で作った人型に裂いた布を包帯状に巻き付け樹脂で固めた作品を出品する。昭和ノスタルジー漂うアトリエは、小野さん滞在時に見学可能。

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