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松山のセレクトショップ「Bitter & Sucre」で陶芸家・馬場勝文さんの個展

陶芸家、馬場勝文さんのミルクパン。ビターアンドシュクレの菅智枝美さんが本で見て一目ぼれし、個展開催のきかっけにもなった

陶芸家、馬場勝文さんのミルクパン。ビターアンドシュクレの菅智枝美さんが本で見て一目ぼれし、個展開催のきかっけにもなった

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 松山・三津の「Bitter & Sucre(ビターアンドシュクレ)」(松山市三津2)で11月20日から、陶芸家、馬場勝文さんの個展が開催される。

松山・三津の内港に程近い「Bitter & Sucre(ビターアンドシュクレ)」

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 ビターアンドシュクレは2014(平成26)年にオープンした、青いタイル貼りのカウンターが特徴のセレクトショップ。店主の菅大輔さんが、地域活性化プロジェクト「ミツハマル」(住吉2)の運営する空家バンクで薬局として使われていた古民家に出合い、自ら改装して営業を始めた。

 「特別ではあるけれど、日常にスッととけ込みスタンダードになっていくモノ」をコンセプトに、主に海外の商品を取りそろえてオープンした同店。「他のショップに置いていないものを取り扱いたい」と感じていた妻の智枝美さんが、何気なく見ていた器の本で馬場さんのミルクパンに一目ぼれしたことがきっかけとなり、店で作品を販売するようになったという。

 馬場勝文さんは久留米市在住の陶芸家。中学生のとき、美術館で見た灰かぶりの古信楽に魅了され、大学3年生の時には「陶芸を仕事にしたい」と決意。信楽の窯業試験場小物ロクロ科研修課程を修了後、2軒の信楽の窯元で修業して技術を磨き、2003(平成15)年、故郷に「馬場勝文陶芸工房」(福岡県久留米市)を開いた。

 「装飾が主役になるものは作りたくない」と話す馬場さんの器は、白と黒が基本で絵付けはない。一つの器を作るのに20日以上かかることもあると言い、作品に使う釉薬は馬場さんのオリジナル。ミルクパンの持ち手などは、船の甲板にも使われる水に強いチーク材を自ら削って作っている。

 智枝美さんは「馬場さんの作品は、開店当初から店に置かせてもらっている。本で馬場さんの作品と出合い、緊張しながら工房に電話したときのことは今でもハッキリと覚えている」と当時を振り返る。「店で何かイベントをするなら、最初は絶対に馬場さんと心に決めていた。工房に伺って個展の相談をしたのは3年前の初夏。2021年であればということで、ようやくこの日を迎えることができて本当にうれしい。松山初の個展なので、来店する人にも馬場さんの優しい人柄が伝われば」と笑顔を見せる。

 馬場さんの器のファンという同店の常連客は「馬場さんの器でおもてなしすると、必ず『すてきな器』と言ってもらえる」と話す。「馬場さんの作品は、両手で包み込んで作られたようなシルエットが手と心に残って心地いい。直火にかけて使うことができる機能性や、シンプルな使い勝手の良さも魅力」とも。

 個展会期中の営業時間は平日11時~16時。土曜・日曜祝日は17時まで。20日には13時頃から馬場さんが来店する。今月27日まで。

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