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松山・三津のビストロサンジャック、瀬戸内魚介欧風ラーメンを週末限定で提供

毎年サンジャックのラーメンランチを心待ちに訪れるという地元の男性客

毎年サンジャックのラーメンランチを心待ちに訪れるという地元の男性客

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 松山の「ビストロサンジャック」(松山市住吉2)が1月28日から、瀬戸内海産の魚介をベースにした欧風ラーメンランチの提供を週末限定で始めた。

ビストロサンジャックが期間限定のラーメンランチで提供している「カキの柚子こしょうラーメン」(750円)

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 メニューは「ハマチの正油(しょうゆ)ラーメン」「マダイの塩ラーメン」「カキの柚子(ゆず)こしょうラーメン」(以上750円)の3種類。豚ガラと野菜、鶏ガラと野菜を煮込んでだしを取る一般的なフレンチの技法に加え、魚のあらを血抜きし、野菜と一緒に仕上げた作ったスープを加えて魚介欧風ラーメンに仕上げた。味玉や塩メンマ(以上100円)、厚切りチャーシュー、しっとり鳥ハム(以上300円)などのトッピングも用意する。

 同店は2014(平成26)年まで東京・西荻窪で営業していたが、店主の平林知己さんが東日本大震災をきっかけに移住を決意。平林さんは「瀬戸内でのびのびと楽しそうに暮らすボイスパフォーマー、中ムラサトコさんのフェイスブックなどを見ているうちに思わず移住してしまった」と笑顔を見せる。

 平林さんは「ビストロはレストランは違い、食堂と酒場が一緒になったような店のこと。コース料理ではなく、定食を食べられるような気軽さがあり、料理のスタイルも自由度が高いと感じている。言葉の響きも気に入っている」と話す。

 魚料理を最も得意とする平林さんは、魚介類が豊富な瀬戸内に移住してからこの土地ならではの料理を作りたいと常々考えていたという。魚介を使ったラーメンランチのアイデアは3年前から温めていたもので、今回初めて店での提供に踏み切った。

 平林さんは「ラーメンというよりも、スープ料理に麺が入っているというイメージ」と話す。「スープは料理の中でも、刺し身の次に原始的なものだと感じており、以前からスープ料理をやりたい気持ちがあった」とも。

 「尾道ラーメンが好きで食べ歩いたとき、どの店も『はせべ』の麺を使っていた」と、尾道の「はせべ製麺所」(広島県尾道市)の中華麺を取り寄せている。

 欧風ラーメンランチを目当てに来店したという女性客は「二日酔いでも食べられてしまうようなおいしさで、ラーメンの汁を全部飲み干したのは初めて。コラーゲンたっぷりのスープで温まった」と笑顔を見せる。毎年サンジャックのラーメンランチを心待ちにしている地元男性客は「本格的なフレンチなのにとっつきにくさがなく、麺も野菜も多めで最高」と話す。西荻窪時代からのファンという女性客からはSNSで「コロナ禍が落ち着いたら、瀬戸内の風味が加わった新しいサンジャックの味と三津の町を味わいに行きたい」とメッセージを寄せる。

 「料理人より音楽家の友達が多い」と話す平林さん。店内には音楽家のAketa Mino(アケタミノ)さんが描いた猫の絵を飾り、壁には同店でライブを開いたバンド「たま」の石川浩司さんや知久寿焼さん、漫画家で松山市在住の和田ラジヲさんなど、著名なファンのサインが書き込まれている。

 「音楽家は音を通して、僕は料理を通して自分を表現している」と平林さん。自分が釣った魚でシーチキンを作るなど、遊び心のある料理も楽しんでいると言い、「僕がやりたいこと、やってみたいことを、お客さんが楽しんでくれているのがうれしい」と来店を呼び掛ける。

 週末限定の「瀬戸内魚介欧風ラーメン」は4月初旬までの期間限定。ラーメンランチの提供は、金曜・土曜・日曜・祝日の12時~14時。

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