
参加学生の集合写真
全国の高専生・教員が集い、蓄電池教育モデルの実証と次世代人材育成を推進
新居浜工業高等専門学校(愛媛県新居浜市 校長:東海明宏、以下「新居浜高専」)は、令和8年8月19日(水)から21日(金)までの3日間、全国の高専生及び教員を対象とした「COMPASS5.0(コンパス5.0)蓄電池分野(※1) バッテリー教育サマースクール in 新居浜」を開催しました。
本サマースクールは、国立高等専門学校機構が推進する「高専発!Society5.0型未来技術人財育成事業(COMPASS5.0)(※2)」における蓄電池分野の人材育成を目的として実施したものであり、学年や専門分野を問わず蓄電池に関心を持つ学生と教員が全国から参加しました。
教材の体験だけでなく、全国展開を見据えた教育実証の場
新居浜高専では、蓄電池教育モデルの構築と全国高専への展開を目指し、実験教材だけでなく、授業計画、指導資料、評価シート、教育効果の分析手法などを含めた「教育パッケージ」の整備を進めています。今回のサマースクールは、その教育プログラムの有効性を検証する実証の場として位置付けられています。
また、参加者同士の交流を通じて、専門分野や学年の異なる学生が協働しながら学習できるプログラムとして実施しました。
4種類の電池実験を体験
参加者は安全教育を受講した後、以下の実験教材を体験しました。
・ニッケル電池の作製・実験
・ダニエル電池の作製・実験
・擬似リチウムイオン電池及びキャパシターの作製・実験
・リチウムイオン電池セル及びキャパシターの作製・実験
物質・化学系の学生だけでなく、機械系、電気・電子系、情報系など様々な専門分野の学生が参加し、グループで協力しながら実験を行いました。
企業講話とOB・OG交流を通じて将来のキャリアを考える
初日には、一般社団法人電池サプライチェーン協議会(BASC)よる蓄電池業界の紹介に加え、住友金属鉱山株式会社で活躍する高専OB・OGとの交流会を実施しました。また、最終日には住友金属鉱山株式会社及びプライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社による企業講話を行いました。
参加者は、蓄電池産業の現状や今後の展望、企業で求められる人材像について学ぶとともに、実際に現場で活躍する技術者との対話を通じて、将来の進路やキャリア形成について考える機会を得ました。

ダニエル電池の実験の様子
ニッケル電池の実験の様子

リチウムイオン電池の製作の様子
高専OB・OG交流会の様子
アンケートから見えた高い教育効果
本サマースクールでは、参加満足度だけでなく、「何ができるようになったか」という観点から教育効果を評価しました。
実施後アンケートでは、多くの学生が、蓄電池の原理理解や実験技能、安全意識、多様な分野の学生との協働について、「十分できる」または「できる」と回答しました。
また、自由記述では、「実際に電池を組み立てたことで仕組みを理解できた」、「他高専・他学科の学生との交流が刺激になった」、「企業講演を通じて蓄電池技術の社会的重要性を実感した」、「自分の専門分野との接点を見つけることができた」などの声が寄せられ、知識習得だけでなく、異分野連携やキャリア形成への意識向上にもつながったことがうかがえました。
今後の展開
新居浜高専は、COMPASS5.0蓄電池分野の拠点校として、蓄電池教育モデルの構築と全国展開を推進しています。今回のサマースクールで得られた参加者からの意見や教育効果の分析結果を活用しながら、実験教材、指導資料、評価方法などを含めた教育パッケージのさらなる充実を図っていきます。
今後も全国高専や産業界との連携を強化し、蓄電池分野における次世代人材の育成と、カーボンニュートラル社会の実現に向けた教育活動を継続してまいります。
※1 COMPASS5.0蓄電池分野について
https://kc-batt.ishikawa-nct.ac.jp/
※2「高専発!Society5.0型未来技術人財育成事業」について
https://www.kosen-k.go.jp/nationwide/gear5-0-compass5-0
