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松山の老舗牛丼店「三河屋」の音風景 地域応援プロジェクトEMOCALが配信

三河屋のカウンターで食事をするオリジナルキャラクターの背景には、営業中の店内の音が流れる

三河屋のカウンターで食事をするオリジナルキャラクターの背景には、営業中の店内の音が流れる

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 松山の老舗牛丼店「三河屋」(松山市本町5)店内の音風景が現在、「音とイラストで日本全国を元気にする地域応援プロジェクト・EMOCAL(エモーカル)」で配信されている。

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 同店は1979(昭和54)年創業。愛媛大学や松山大学にも近く、深夜まで営業しているため「学生時代の思い出の味」として同店を慕う人も多い。 創業当初からしょうゆや隠し味に使うみそなどの調味料は地元の醸造元にこだわり、松山の人が好む甘口のタレで長く親しまれている。

 三河屋の音風景配信のきかっけを作ったのは、今年3月、同店とコラボで「冷凍牛丼の具」を共同開発・発売したナカフードサービス(大可賀2)の中篤史さん。エモーカルプロジェクトの提案を受け、音風景を通じて松山の魅力を多くの人に届けたいと、地域で長く親しまれている老舗牛丼店・三河屋店内の音を動画コンテンツとして配信することが決まった。

 中さんは「牛丼の味もさることながら、 三河屋には『ただいま』と言いたくなるような優しい雰囲気がある。お客さんの出入りが多く、丼が重なる音や注文を取る店員の声などが常に耳に入って、決して静かとは言えないのに何故かホッとする魅力的な空間」と話す。「音風景を通じて松山のローカルな雰囲気を味わってほしい」とも。

 エモーカルは、ASMR(アスマー)動画サービス「ZOWA」を手掛けるエイシス(東京都千代田区)の地域応援プロジェクト。各地の音の風景を主役にした動画コンテンツで、地域の魅力を広めるきっかけづくりを目指している。アスマーは「Autonomous Sensory Meridian Response」の略。動画配信サービスなどを通じて「心地よい、脳がぞわぞわする感じ」を楽しむ人の間で話題になり、2019年頃から大きく注目を集めるようになった。

 エイシス広報担当の南谷裕子さんは「コロナ禍のおうち時間に寄り添うアスマーコンテンツの企画を検討する中、主人公が全国の名所旧跡を訪れる『サザエさん』のオープニングにひらめきを得て、キャラクターが魅力的な音がある場所を訪れ、その音風景を全国に発信する、というアイデアが生まれた」と話す。

 「地方には有名な観光地以外にも、魅力あふれる場所や店がたくさんある。エモーカルのコンテンツが、知る人ぞ知る地域の魅力を伝えるきっかけにつながれば」と南谷さん。「店の雰囲気にじっくり浸り、思わず食欲を刺激されるサウンドツーリズムを体験してみてほしい」と笑顔を見せる。

 三河屋の営業時間は、水曜・木曜の11時~14時と火曜~日曜の18時~翌2時。月曜定休。動画は、エモーカルのホームページやユーチューブ、ニコニコ動画などでも公開している。

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