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企業・個人の「複業好事例」募集 「生き生き働く人を増やして地域を元気に」

クラウドファンディングで経営者にアピールする「複業好事例集」の制作にチャレンジしているまえふみさん

クラウドファンディングで経営者にアピールする「複業好事例集」の制作にチャレンジしているまえふみさん

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 松山でビジネスコーチ・キャリアコンサルタントとして活躍する「Mind Up」(松山市堀江町)社長のまえふみさんが現在、複業制度の普及を目指し「複業好事例集」制作のためクラウドファンディングで支援を呼び掛けている。

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 「働く人にも企業にもプラスになった複業の好事例集」を紹介するウェブサイトと冊子を制作し、経営者を主なターゲットに複業のメリットを伝える目的。まえさんは「複業に前向きな地域の企業を増やすことで、一人一人が自分の能力を発揮できる社会作りや地域の活性化にもつなげたい。複業許可制度の導入で好事例が生まれた個人や会社があれば、ぜひ『好事例集』で紹介させてほしい」と意欲を見せる。

 人材派遣会社に20年間務め、後半の8年間は複業としてコーチングを行っていたという、まえさん。「支援したいのは、複数の雇用先で仕事を掛け持ちする『副業』ではなく、本業を持ちながら個人事業主型で第二の活動をする『複業』」と話す。

 「私も『複業』を経験することで自分の能力を生かす楽しさに気付くと共に、1万円を稼ぐことの難しさや勤務先があることや月給のありがたさにも改めて気づくことができた。経営者視点で仕事に取り組めるようになったり、複業で培った能力を仕事にフィードバックして本業で成果を挙げたりした例も多い」とも。

 「経営者と働き手の間には、『複業』に関する意識の違いや温度差がある」とまえさん。これまでセミナーの開催などを通じて、多くの経営者が『複業を解禁すると本業に支障が出るのでは』『優秀な人材が辞めてしまうのでは』というマイナスイメージを抱いていることに気付いたという。

 「働く環境が変化する中で、経営者と働き手が求める『愛の形』にすれ違いが起きていると感じている」とまえさん。 「終身雇用の時代には、新卒で入社した社員を定年まで雇い続けることが経営者のミッションであり社員への愛情だった。時代が変わった今、能力やモチベーションの高い社員には、会社での仕事だけでなく、個人の能力を発揮して社会貢献や新しいことに挑戦したいと考える人が増えている。『複業の解禁』はそのような人材のニーズに応える新しい『愛の形』だと考えてみてほしい」とも。

 複業を解禁した三福綜合不動産(中村2)では、社員の一人が複業としてマンション経営を始めたことで「顧客対応の説得力が増し、営業力が格段に上がった事例」があるという。同社の別の社員は地元の南予地方でワンコイン自販機や太陽光発電施設の経営を始めたことで、ビジネスの仕組みやお金の流れの見方が変わり、会社でも日常会話としてビジネスの話をするようになって、周囲の社員にも影響が広がっているという。

 クラウドファンディングのリターンには、新しく制作する「複業好事例集の進呈」(2,000円)やオンライン講習会「複業・創業の始め方~顧客のニーズを引き出すコミュニケーションの原理原則について~」(5,000円)のほか、事例集に「複業に挑戦している個人としてホームページと冊子で紹介する」(1ページ=3万円)「複業を許可している企業として紹介する」(1ページ=3万円、2ページ=5万円)などを設定。今年3月からウェブサイトの制作を始め、8月にはサイトの公開と冊子版の制作・配布などを行う。

 「いろいろな立場の人に興味を持ってもらうため多様なリターンを設定しているが、一番期待しているのは『複業に挑戦している企業や個人を紹介できる事例』の情報」とまえさん。「複業を応援する魅力的な会社が増え、優秀な人財が活躍することで地域を元気にすることもできる」と期待を込める。

 クラウドファンディングは1月30日まで。

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