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松山で小さな版画の展覧会「シードストーリーズ21_22」 さまざまな技法の魅力伝える

「小さな版画展vol.2-シードストーリーズ21_22」開催の様子(写真提供:3ta2ギャラリー)

「小さな版画展vol.2-シードストーリーズ21_22」開催の様子(写真提供:3ta2ギャラリー)

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 松山の「3ta2(サンタニ)ギャラリー」(松山市高井町)で1月15日から、「小さな版画展・シードストーリーズ21_22」が開かれている。

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 22人の作家が「呼吸」をテーマに制作したA4サイズの作品を展示。「『版画の種』が芽吹き、それぞれのストーリーとして展開していく」ことを目指して、全国14カ所のギャラリーや美術館で巡回展を行っている。

 前身となる企画「リトルクリスマス~小さな版画展~」が始まったのは2010(平成22)年。版画の魅力を伝えたいと版画作家45人が集まって始動した企画は、10回目となる2019年に活動を締めくくり、2020年から「シードストーリーズ」として再始動した。

 3ta2ギャラリーの三谷恵子さんは「作家発信の展覧会は珍しい試み」と話す。「版画作家が、木版や銅版画、エッチング、メゾンチントなど、多彩な版画の技法やその組み合わせなどを見てほしいと始めた企画。展示作品には、技法の解説や作家のコメント、制作にまつわるストーリーも添えており、それらと共に作品を楽しめることも魅力」とも。

 3ta2ギャラリーは2006(平成18)年5月にオープン。当初は地元の絵画愛好家や地域の作家の交流の場として親しまれていたが、徐々に交流が広がり、三谷さんが「自分の視点で面白いと感じたもの」「他のギャラリーが扱っていないような面白い技法のもの」を軸にセレクトしたいろいろなジャンルの作品を、年間を通じて展示するようになった。

 「完成しているものよりも、試行錯誤しながら変化を続けているチャレンジングな作家や作品を紹介したい」と三谷さん。いいと思った作品があればアトリエに足を運び、個展を開催できるよう関係性を築いていくという。展覧会だけでなく国内外のアートフェアにも参加して作家の表現の場を広げ、作品の魅力を伝える活動に積極的に取り組んでいる。

 「アートを暮らしに取り入れ、飾って、日常の中で楽しんでほしい」と三谷さん。展示作品はギャラリーで販売するほか、3ta2ギャラリーのオンラインストアでも扱う。「巡回展の会期中は、ベテランの作家も新しい人も、同じサイズの作品を全て特別価格の1万1,000円で販売しているので、これからアートを集めたい人にも手に取ってもらいやすいのでは」とも。

 「家の中に、棚一つ、壁一つスペースを作って作品を飾ることで、自分と向き合ったり、自分の気持ちの変化に向き合ったりできる特別な時間が生まれる。季節で飾り替えをすることで、新鮮な気持ちになるきっかけにもなれば」と笑顔を見せる。

 営業時間は11時~17時(最終日は16時まで)。入場無料。今月23日まで。

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