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松山市に「チーズストール 酪 RAKU」 愛媛県唯一のナチュラルチーズ専門店

オープン間近の「チーズストール 酪 RAKU」店内カウンターで、店長の平井さん(左)と、経営者の瀧山さん(右)

オープン間近の「チーズストール 酪 RAKU」店内カウンターで、店長の平井さん(左)と、経営者の瀧山さん(右)

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 松山市内に3月4日、ナチュラルチーズの専門店「チーズストール 酪 RAKU」(三番町4、TEL 089-961-1806)がオープンする。

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 店内のショーケースには世界から輸入した30種類以上のナチュラルチーズをそろえ、熟成度合などに応じて常に最高の状態で提供できるよう繊細なケアを行う。店舗面積は約10坪。カウンターとテーブルの計10席を備える。

 対面販売では、量り売りのほか、1,000円前後で数種類を味わえるチーズセットなどを用意する。店内では、好みの傾向やリクエストに合わせてセレクトする、3種(900円)、5種盛り(1,400円)のプレートなどを提供。サラダやフルーツなどと組み合わせることで、彩りを添えてチーズのおいしさを引き出し、グラスワインワイン(500円~)やソフトドリンク(300円~)のほか、コーヒー(500円)などとの取り合わせも提案する。

 愛媛県内では数人のみという「チーズプロフェッショナル」の資格を持つ店長の平井靖子さんは「チーズには『美味(おい)しい』と『美しい』の2つの美があると思っている」とチーズの魅力を語る。

 「個性が強いナチュラルチーズは、一度食べてみたがおいしくなかった、好みに合わなかったという人も多い。チーズの味わいは、同じ種類のものでも、生産者の違いや熟成度合い、店舗に入荷してからのケアなどによって大きく変化する。対面販売店の強みは、店頭に置いてあるチーズを最良の状態に保ち、チーズの状態を熟知したスタッフがお客さまに提供できること。まずは好みのチーズに出合ってもらい、順を追って、同じチーズの熟成度の違いを楽しむなど、奥の深いチーズの世界へ案内できればうれしい」と話す。

 店舗を経営するのは、松山市内で学習塾や企業研修などの事業を展開する瀧和塾(松山市保免)。

 松山市内の百貨店にあった四国で唯一のナチュラルチーズ店が閉店することを受け、社長の瀧山和也さんが、企業研修を通じて親交のあった店長の平井さんと共に「チーズストール 酪」の開店を決意。百貨店のテナントとしては実現が難しかった「チーズを軸に、ワインやパン、ほかの食材とのペアリングでナチュラルチーズの魅力を発信する店」を実現したいと、平井さんを事業部長に、飲食事業に新規参入した。

 「私自身も、平井さんを通じて初めて『ナチュラルチーズ』と出合った」と瀧山さん。初めて薦められたチーズは、輸入食材店やスーパーなどでも取り扱われることの多いゴーダチーズだったが、「今まで食べてきたものと全く違っており、そのおいしさに衝撃を受けた」と当時を振り返る。

 瀧山さんは「百貨店のナチュラルチーズ専門店が閉店すると聞いた時に、地域にとって大きな損失だ、と危機感を感じた」と話す。「ナチュラルチーズも、これまで手掛けてきた学習塾や企業研修と同様、なくても生きていくことはできるが、あれば少しだけ生活が豊かになるような存在だという点に共通性を感じている」とも。

 一般向けのほか、飲食店などには、使いやすくコストパフォーマンスがよいナチュラルチーズも用意。これまでの幅広い経験を生かして、チーズのセレクトやレシピの提案など、ナチュラルチーズを生かしたメニュー作りのほか、イベント開催の相談にも対応する。

 「春先なのでシーズンメニューとして、ヨーロッパで人気の、セージが入ったチェダーチーズを味わってみてほしい」と平井さん。「このお店でのチーズとの出合いが、夕食の後に、ワインと一切れのおいしいチーズがあるような、豊かな時間をつくり出すきっかけになればうれしい。ナチュラルチーズの仕入れと対面販売に10年以上関わってきた経験を生かして、ヘルシーなチーズを食卓へ届けるための橋渡し役になることが使命と感じている」と熱意を語る。

 同店は店名を「チーズスタンド 酪」から「チーズストール 酪」に変更。「ストール」は、「お祭りの屋台や小さな販売所」を表す。営業時間は11時~22時。木曜定休。

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