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松山・三津、猫だらけの雑貨店で平岡典子さん個展「お帰りと言わせて」

今回の個展に合わせて制作した平岡典子さんの冊子「お帰りと言わせて」

今回の個展に合わせて制作した平岡典子さんの冊子「お帰りと言わせて」

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 松山・三津に住む猫と、それを取り巻く人や風景をモチーフにした平岡典子さんの個展「お帰りと言わせて」が1月9日、地元の猫雑貨店「erimaki(えりまき)」(松山市住吉2)で始まった。

個展にあわせてスケッチと物語の冊子「お帰りと言わせて」を制作した平岡さん

 松山市在住の平岡さんは2児の母として主婦業をこなす傍ら、習字や絵画・裁縫の出張講師としても活動。映画や本、神社の狛犬、福助人形、コーヒー、お絵かきをこよなく愛し、デザインや描画、縫製を通じて「物語やその先を感じさせる作品」を作り続けている。平岡さんをよく知る人は「本人は『肩書きがまとめられない」』と笑うが、あえて名付けるなら『スーパー遊び上手人』」と紹介する。

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 「小さいころから絵を描くことが一番の遊び。幼稚園の教材庫から画用紙がなくなるほど描いた」と話す平岡さん。お絵描き好きは大人なっても変わらず、毎日書き続けている絵日記手帳も7年目を迎えたという。従来の絵心に、裁縫やはんこ、張り子、習字など、大人になってから知った「ものを作るための表現方法」加えて作品作りを続け、2015(平成27)年には「HARINOKI」の名前で初めてハンドメードイベントに出店。以後、さまざまなイベントから声が掛かるようになった。

 「たくさんの人が自分の作品を手に取り、購入してくれたことは、ただただ感謝ばかりだった」と話す平岡さん。2017(平成29)年に初の個展「小さな絵と大きな判子と鞄店」を開催し、以降、毎年個展を開いている。

 会場となる猫雑貨店「えりまき」店主の濱田真紀さんと平岡さんが出会ったのは、松山市内の書店「本の轍」。地元の人が「多分、日本で3本の指に入るくらい短い」と親しみを込めて呼ぶ「三津浜飲み屋街通り」の一角にある店内には、猫好き常連客のツボを押さえたグッズが所狭しと並ぶ。

 平岡さんの作品は、手描きのあたたかさや、一瞬の表情が作り出す愛らしいおかしさが魅力。一点もののカレンダーや一刀彫の猫、ポストカード、トートバッグなど多彩なラインアップが特徴。

 今回の個展に合わせて初めて作ったという冊子「お帰りと言わせて」は、三津の猫に声を掛ける旅行者や住人、散歩をする人などのスケッチ画で構成した「お帰り」を巡る猫と人と街の物語。平岡さんは「散歩中に見た、ふとした景色や目に映る情景から物語が生まれ、絵を添えて一瞬を残す遊びのような感覚でつづった」と話す。

 初日には、猫好きの人や友人、「店を探して、探して、やっと見つけたわ」と言う平岡さんのファンなどが途切れることなく訪れ、お気に入りの一点を見つけて購入する姿が見られた。店の近くに住む女性は「平岡さんの作品は、描かれる動物から裁縫の仕上げまで全てが丁寧で、手に取った瞬間に愛着が湧いてしまうようなものばかり。アイデアや仕事のやり方、作品と向き合う時間の作り方など、何もかもが手本になる」と作品を手に取りながら話す。

営業時間は土曜~火曜の11時~17時。18日と31日は平岡さんが在廊するほか、18日には平岡さんが挿絵を描いた絵本の読み聞かせインスタライブやピアノ演奏も行う。1月31日まで。

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