子宮頸部前ガン病変の治療装置が完成、間もなく治験開始

子宮頸部前ガン病変の治療装置「ハイパーサーミア」

子宮頸部前ガン病変の治療装置「ハイパーサーミア」

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 昨年夏に子宮頸部(けいぶ)前ガン病変の治療装置「ハイパーサーミア」を開発したアドメテック(松山市文京町)が、同装置のシステムを応用した動物用医療機器を試験導入している。

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 同社は愛媛大学発のベンチャー企業として2003年に設立。2006年・2007年度に県アクティブベンチャー支援事業に採択された。

 子宮頸ガンは40歳を中心とする女性に発症するもので、日本では年間約1万5千人が発症している。今回開発した同装置は、ガン細胞は正常細胞よりも熱に弱いという特性に注目したもので、現在までの既存治療法である患部切除や抗ガン剤投与、放射線照射といった従来の治療法と比較し、患者の体への負担が小さいため、ガンに至る手前の前ガン病変段階で治療を行い、子宮頸ガンへの進行を大幅に防ぐことができるという。

 同様の治療法が臨床試験まで進んだ例は無く、同社が世界初。現在はこの治療法を動物用に生かした装置を開発しており、動物病院で試験導入し、「緩和や完治など治療結果の例が多く出てきている」という。

 「今回、愛媛大学の医学、生物、理工学とさまざまな分野の研究者が協力し、意見と技術を出し合うことで装置を開発できた。これにより、体に負担をかけることなく自然治癒を促し、完治へ導く治療が完成しつつある。何としても、この治療法を完成させ、医療の世界に導入し、一人でも多くの人を助けたい」と同社中住慎一社長。

 「現在の課題は試験費用。臨床試験には多額の資金が必要なため、当社では出資や共同研究を行う企業を募り、製品化の早期実現につなげていきたい」とも。

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