松山・花園町通りで10月25日、車線を減らし歩道空間を拡大する「交通社会実験」と、広がった歩道空間を活用した「賑わい・憩い空間づくり」社会実験が始まった。
松山市では「コンパクトで質の高いまちづくり」を掲げて中心市街地での安全・快適な歩行空間の形成やにぎわい・憩いの空間創出などを目的に今回の社会実験を行う。
実験は、花園町通りと千舟町通りとの交差点から南堀端との交差点までのおよそ250メートルの区間で行う。現在の片側2車線の車道を1車線化して歩道空間を拡大し自転車専用レーンを設置する。
花園町通りの車道幅員は2車線合わせて約6メートルで路肩がなく軌道敷側に反射材が設置してあることから1車線あたりの余裕が無い。実験では車線を減らすことで緑地帯・路側帯と合わせると1車線の幅員が約4メートルと広めになる。通常時の副道は歩道として芝生やウッドテラスなどの休憩施設を設置する。
花園町通りの自動車交通量は片側2車線では処理できないほどだったが、近年減少しており30年前に比べて2分の1まで減っている。
都市政策課の担当者は「現在の交通量は片側1車線で足りるほどまで減っている。しかし、車線を減らすことに住民から不安の声も出ていた。今回の社会実験で今後の方針などを検証していきたい」と話す。
賑わい・憩い空間づくり社会実験では各種イベントを実施する。昼夜でイベント内容を変え、10時~16時は「花園町通りオープンテラス」を、17時30分~21時30分は「花園町通りフードストリート」を開催する。
「オープンテラス」では花園町の地元店舗・学校がオープンテラス、フラワーアレンジメント教室、体験型ワークショップ、コンサートなどを予定している。フードストリートでは花園町オリジナルの「花園鍋」「花園ドッグ」の販売やB級グルメの出店、ステージイベントなどを予定する。25日18時30分からはローマ出身の料理研究家・ベリッシモ・フランチェスコさんのトークショーを開催する。
同区間内には約230台分の駐輪スペースを用意する。現在の同通り沿いの路上駐輪は最大で480台あり、実験中は市役所第4別館敷地内に約300台分の臨時駐輪場を設ける。
「今回の社会実験では臨時スペースを確保したが、今後花園町通りの道路整備が決定したら駐輪スペースについても話し合いが必要になる」と担当者。「計画ができた1年前に比べ最近では花園町に対する住民の関心も高まっている。社会実験中は通行者へのアンケートを実施し、今後につなげていければ」とも。
11月4日まで。