松山・シネマルナティック(松山市湊町3)で11月14日から、映画「陽光桜」が全国に先駆けて上映される。
愛媛県川内町(現在)の東温市に実在した知られざる偉人・高岡正明さんの生涯を描いた作品。監督を務めた高橋玄監督は、東京のテレビ番組制作会社のプロデューサーから高岡さんの実話を聞き、初めて知ったという。
戦時中、軍国教育を行っていた高岡さんは、終戦直後から自分が教え子たちを戦地に送り込んでしまったとの自責の念に苦しみ続ける中で、戦死した教え子たちの鎮魂と世界恒久平和への願いを託して、日本各地を訪れ品種改良に没頭、「新しい桜」を作ろうと生涯をささげた。
同作は、高岡さんと共にたくましく生きる高岡一家を描いたユーモラスと涙にあふれた作品。高橋監督は、愛媛、東温市の自然を美しく記録すると同時に、地味になりがちなこうした題材の日本映画に国際的なスケール感を与えたいとの思いでアメリカ人の撮影監督を起用して撮影にあたった。関東での撮影とミックスして映画の中に作り上げた愛媛の風景は地元に人たちに親近感とともに、「見たことがない愛媛の風景を楽しんでもらえる」と高橋監督は自負している。
「本作は、どの俳優も女優も素晴らしい仕事をしてくれた。若いタレント系の俳優出演が多い最近の日本映画の中でも、ベテラン俳優たちの演技を堪能できる大人の映画でもあると感じている。生涯を愛媛県東温市で生きて、同時に世界へとメッセージを発信し続けた知られざる偉人・高岡正明氏。同郷の人たちには本作を機にこの物語を後世まで語り継いでいただけたら作り手として光栄。愛媛県人の皆さんこそ、彼を誇りにすべきだと思う」と呼び掛ける。
11月13日には初日前夜祭として舞台あいさつを行う。18時10分~18時30分、登壇者は的場浩司さん、宮本真希さん、高橋監督。翌14日の初日舞台あいさつは12時30分~12時50分、登壇者は笹野高史さん、宮本さん、高橋監督。