ウェブアクセシビリティに関する基礎講座「より多くの人に情報を伝えるためにできること(AED vol.5)」が11月23日、サイボウズ松山オフィス(二番町3)で開催される。
「ウェブアクセシビリティ」は、視覚・聴覚などに障害がある人や高齢者などをはじめ、ウェブを利用する全ての人がコンテンツ(内容・情報)を利用しやすくするための取り組み。日本では2016(平成28)年4月に施行された障害者差別解消法により、ウェブアクセシビリティへの取り組みが重要視されるようになっているが、中小企業のウェブサイトなどでは対応が遅れている。
今回の講座を企画したのは、松山市内でフリーランスのマークアップエンジニアとして活躍する重見由季さん。
以前に参加した勉強会で、澤田望さんのセミナーを受講したことがきっかけとなり、今回、自身が所属する「AED(All Ehime Digitalcreators)」主催のイベントに講師として澤田さんを招聘(しょうへい)。松山市での「ウェブアクセシビリティセミナー」開催を実現した。
澤田さんは、2013(平成25)年までキヤノン(東京都大田区)で、サイトデザイン監修やウェブアクセシビリティ対応の業務に従事。2011(平成23)年からはWAIC(ウェブアクセシビリティ基盤委員会)にも所属しており、現在は独立して専門学校の講師やウェブアクセシビリティの検証などを行っている。
ウェブ制作者やアクセシビリティに興味のある人を対象に開催する今回のセミナーでは「ウェブコンテンツを閲覧してくれる、より多くの人に情報を伝えるためには、どんな考え方で、どんなことから取り組みを始めればよいのか」など、現基本的な考え方や、実現に向けた取り組みについて学ぶことを目指す。
重見さんは「難しそうな印象のあるウェブアクセシビリティについて、わかりやすく伝えてくれることが、講師の澤田さんの最大の魅力」と話す。
「『ウェブアクセシビリティへの対応』というと、難しいガイドラインを理解して膨大なコストをかけなければ実現できないようなイメージがあるが、決してそうではない。基本的な考え方を理解し、画像への説明テキスト追加や色の使い方の工夫など、小さな部分からできることを日々の仕事の中に取り入れていくことで、利用しやすいコンテンツになる」とも。
「高齢者や障害者に対応できていないウェブサイトは、全体の30%近い潜在顧客に対してアピールの機会を損失しているといわれている。ウェブサイトやデザインの最も重要な目的は『知ってもらう』ことであり、そのために大切にしたいのが『アクセシビリティ』の考え方。一人でも多くの人がそのことに気付き、アクセシビリティに対応したサイトが増えて、より多くの人がきちんと情報を得られるようになれば」と期待を語る。
当日は、ダンサーの「EriNao」さんを招き、セミナーの合間に「手話ダンスに触れてみよう」のコーナーも用意している。
重見さんは「手話ダンスのレクチャーをしてくれる『EriNao』さんは、本格的な経歴を持つヒップホップダンサー。手話の動きを取り入れたダンスで頭と体を動かしてリフレッシュするとともに、実体験として障害を持つ方の感覚に触れることで、『ウェブアクセシビリティ』の拡充を必要としている人が身近にいることを感じてもらうことも目指している。身近な誰かを思い浮かべることで、その重要性をよりクリアに意識してもらえるようになれば」と笑顔を見せる。
開催時間は14時~17時(13時30分開場)。終了後は、17時30分から懇親会を開く。参加費は3,000円(懇親会は別途4,000円、飲食費込み)。インターネットでの申し込みが必要(締め切りは今月22日)