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松山市辰巳町にコーヒー店「ICOI COFFEE(イコイコーヒー)」20代の2人が開業

1月20日に移転オープンした「イコイコーヒー」で、店主の中島さん(左)と佐々木さん(右)

1月20日に移転オープンした「イコイコーヒー」で、店主の中島さん(左)と佐々木さん(右)

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 松山で20代の2人が経営するコーヒー店「ICOI COFFEE(イコイコーヒー)」(松山市辰巳町1、TEL 080-2987-7531)が2月20日で、移転オープンから1カ月を迎える。

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 同店で扱う豆はアメリカのスペシャルティコーヒーの専門商社「CAFE IMPORTS × DCS」のもの。届いた生豆は焙煎(ばいせん)の前と後に一粒一粒手作業で選別行い、毎朝豆の状態を見ながら抽出方法を調整するという。

 メニューは、ホットコーヒー(400円)、オーガニックオーツミルクのカフェオレ(500円)のほか、レモンケーキ(350円)、キャラメルサンドのスコーン(330円)などの焼き菓子もそろえ、銘柄やローストの違いを楽しめるコーヒー豆も販売する。

 店を営むのは、西予市出身の佐々木風帆さんと、パートナーで山梨県出身の中島里和さん。コーヒーに興味を持ったきかっけについて、佐々木さんは「中島さんの父親が、豆を焙煎してコーヒーをいれる習慣に接したことだった」と振り返る。大学生2年生のころから自分でもコーヒーをいれるようになった佐々木さん。当時暮らしていた山梨で、好きな店や有名店に出向いては自分が焙煎したコーヒーを飲んでもらって指導を仰ぎ、知識を深めた。

 大学卒業後の2019(平成31)年に、山梨の好きな場所と街の雰囲気が似ていたことがきっかけで三津へ移住。かき氷が有名な三津浜商店街の「島のモノ 喫茶 田中戸」(住吉2)でアルバイトをするうちに地元の人とのつながりが深まり、イタリア料理店「FLOR」(住吉1)店主の徳永孝さんから「1階の空きスペースを使ってコーヒースタンドをやってみないか」と声を掛けられたことがきっかけとなり「イコイコーヒー」が誕生した。

 1月20日に移転オープンした新店舗について「物件を内覧したときにビジョンが見えた」と話す中島さん。「自分たちで塗った白い壁に、西から入る陽が街路樹の影を作るのが好き」と笑顔を見せる。佐々木さんは「カウンターや棚は、三津の先輩たちが作ってくれたもの。廃材なども提供してもらい、たくさんの人に助けてもらってできあがった店」と感謝を口にする。

 大学時代には国際社会論を専攻していた佐々木さんは、その中でコーヒーを取り巻く産地の貧困問題やフェアトレードの難しさについても学んだという。

 「新しい店になって、お客さんとコーヒーのことを話せる機会が増えた。私たちが楽しんでいるコーヒーは、必ずこの地球のどこかで栽培され、多くの人の手によってこのカップまで届けられたもの。消費国ではその『ありがたさ』を実感することがなかなか難しいと感じており、それをきちんと伝える役割を果たしたい、と思ったこともコーヒー店を始めた理由の一つ」と話す。

 営業は8時~17時。水曜定休。

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