松山の杉住宅(松山市柳井町1)が、ペットと住める賃貸住宅「わんにゃんション」の刷新を進めている。
1982(昭和57)年創業の同社。松山市を中心に約4200戸の物件を所有・管理している。2019年には外国人留学生や技能実習生、移住者などを対象に、慣れない異文化での新生活をサポートする「Dua HOME」事業を開始。家電や布団のプレゼント、ライフラインの手続き代行サービスなどの無料提供を始めた。2020年には賃貸契約に必要な初期費用のサポートや、入居時の家電プレゼントなどを充実させた母子世帯支援プラン「ままんション」もスタートするなど、「多様性と社会貢献を軸にした」(同社)サービスを展開している。
これまでも松山市内で約3000戸のペット可住宅を取り扱っている同社。今年10月にリニューアルしたペットと住める賃貸住宅「わんにゃんション」では「ペットも含めたコミュニティーづくり」を目指し、同じ物件にペットを飼っている人と飼っていない人が共に住んでいることを前提に、暮らし方やしつけ教室をはじめとするマナーの啓発などにも力を入れている。
同社修理部の坂部洋三さんは「コロナ禍のおうち時間増の影響もあり、以前にも増してペットと一緒の暮らしを楽しむ人が増えている」と話す。同社が管理する3000戸のペット可住宅では、約6割の入居者が実際にペットを飼っているという。「ペットとの暮らしが生活に彩りを添えてくれる一方で、多頭飼育の崩壊が起きたり、殺処分で失われてしまう命が生まれてしまったりする現実もある。一企業ができることには限りがあるが、ペットを飼う人だけでなく、地域も幸せになれる取り組みを目指して『わんにゃんション』を進化させていきたい」とも。
「わんにゃんション」の入居者には、四国中央市に本社を置くユニチャームと提携したペットトイレやマナーウエアを進呈するほか、スマホで留守中の部屋の様子を確認できる見守りカメラの設置、避妊去勢手術費用の一部負担、ペットを飼育する際に必要な敷金「ペット保証充当金」割引などの特典を用意。パートナーシップを結んだ動物病院での受診が割り引きになる制度や、ペットを含めたコミュニティーづくりなどのサポートも行う。
坂部さんは「今後も、多様な生活者のニーズに対応し、会社としてできる地域貢献を続けたい」と意欲を見せる。