松山の「うるし工房」(松山市市坪南2)は現在、一般の家庭を対象に塗り物・仏具などの塗り直し修理のサービスを受け付けている。
「二十一世紀えひめの伝統工芸大賞」受賞経験があるなどの20代女性が経営している同工房は、愛媛では珍しいとされる漆工芸を専門に寺院関連の塗り物の修繕を手がけている。
工房オーナーの池内麻記さんは「漆の良さの一つに塗り直しができ繰り返し美しいまま使えるという長所がある。水が張ったような潤みのある艶(つや)から、時間の経過・使い手によって個々に出る味わいのある艶に変化していく様や、しっとりと手になじむ心地よさが漆の魅力。『塗り』や『装飾』として場面を引き立てることも昔から大切にされてきた漆の役割」と話す。
今回のサービスについては、「そうした漆の良さを一般の人にも知ってほしいという思いから始めた。現在は漆器を身近に感じる人も少なくなっているので、このサービスをきっかけに大事なものを丈夫にして守りたいという漆工芸の精神的な要素を知ってもらい、漆器について見つめ直して身近に感じてもらうチャンスとなればうれしい」とも。
営業時間は10時~18時。日曜・月曜定休。同サービスは今月31日まで。