
連携協定の締結を終えた弓削商船高専・内田校長(中央)とソフトバンク株式会社四国ネットワーク技術部 鎌仲 順人部長(左)と楽天モバイル株式会社BCP管理本部 磯邉 直志本部長(右)
独立行政法人国立高等専門学校機構 弓削商船高等専門学校(愛媛県越智郡上島町 校長:内田 誠、以下「弓削商船高専」)は、ソフトバンク株式会社(以下「ソフトバンク」)及び楽天モバイル株式会社(以下「楽天モバイル」)の各社と、令和8年3月25日(水)に「練習船『弓削丸』の災害支援利用推進に関する連携協定」(以下「本協定」)を締結しました。
本協定の締結により、弓削商船高専は国内主要通信キャリア4社全てと災害支援協定を締結したことになり、災害時におけるキャリアの枠を超えた連携が期待されます。

左側:ソフトバンク株式会社 テクノロジーユニット統括 エリア建設本部 四国ネットワーク技術部 部長 鎌仲 順人 様

右側:楽天モバイル株式会社 BCP管理本部 本部長 磯邉 直志 様
1. 協定締結の背景・経緯
令和6年1月に発生した能登半島地震では、大規模な土砂崩れや道路陥没により陸路が寸断され、支援車両の進入や基地局の復旧が極めて困難な状況に陥りました。その際、海上から被災地に向けて電波を届ける「船上基地局」が運用され、孤立地域の通信確保において効果を発揮しました。離島が多く、複雑な海岸線を持つ日本において、「海路からの支援体制」は災害レジリエンス(社会の回復力)の要となります。
弓削商船高専は、既にKDDI株式会社(令和4年12月締結)、株式会社NTTドコモ(令和5年3月締結)と協定を結んでおります。そしてこの度、ソフトバンク、楽天モバイルの両社とそれぞれ協定を締結することで、より網羅的な災害支援体制が整いました。
2. 本協定の目的と主な連携事項
弓削商船高専と各社が保有する技術・ノウハウ・サービスを活用し、「弓削丸」の災害支援利用を強力に推進し、新たな価値を提供します。
(1)自然災害時の有効活用
地震等の災害による陸路遮断時において、海上からのアプローチ手段を確立します。
(2)通信インフラの早期復旧
「弓削丸」を船上基地局として運用し、被災地の通信エリアを迅速に確保します。
(3)資機材輸送・宿泊支援
復旧活動に必要な資材の海上運搬、及び活動要員の船舶内での宿泊支援を行います。
(4)定期的な共同訓練
年1回以上の訓練(机上・実動)を実施し、発災時の即応体制を維持・向上させます。
3. 練習船「弓削丸」について
令和6年3月に竣工した「弓削丸」は、次世代の海技士を育成する「船員教育」のための最新鋭の練習船であると同時に、有事の際に活躍する「災害支援船」としての機能を併せ持つよう設計されております。
海上から被災地に向けて電波を射出する「船上基地局」としての運用機能、孤立した被災地へ迅速に救援物資を届ける「機動的な物資輸送」のロジスティクス機能を備えています。
また、海水から1日10トンの清水を精製できる造水設備や陸上への電力供給が可能な移動式分電盤のほか、多目的トイレやシャワースペースなど衛生設備を備えており、被災地域に根ざした活動が行えます。

令和6年3月に竣工した練習船「弓削丸」
4. 今後の展望
国内主要通信キャリア4社全てと協定が結ばれました。今後はキャリアの枠を超えた、より広範囲かつ強固な災害時通信確保のネットワークを目指します。
また、連携各社と平時からの共同訓練を通じて緊密な連携を図り、国民の皆様の安心・安全に貢献していく所存です。
弓削商船高等専門学校について
弓削商船高専は、商船学科及び工業系2学科からなる本科と2つの専攻科を備えた高等専門学校で、尾道と今治を結ぶ「瀬戸内しまなみ海道」から近い上島諸島の中の弓削島にあります。1901年に弓削海員学校として創設されて以来、日本の海運界や地域産業界への貢献、多様化する現代のものづくりに対応できる技術者を育成しています。
また、令和8年度からは学科等改組を行い、高度情報専門人材育成にも力を入れていきます。

弓削商船高専校舎

弓削商船高専桟橋
【学校概要】
学校名:独立行政法人国立高等専門学校機構 弓削商船高等専門学校
所在地:愛媛県越智郡上島町弓削下弓削1000番地
校長:内田 誠
創立:1901年1月
URL:
https://www.yuge.ac.jp/
事業内容:高等専門学校・高等教育機関