コンビニ「サークルKサンクス」の四国4県と広島県内の一部各店で3月4日~17日、愛媛大学農学部(松山市樽味3)と共同で開発した「たべて三予(みいよ)弁当」が販売された。
同弁当は同大「愛媛大学食育士」養成コース学生とサークルKサンクスが、地元食材を使い、地産地消・郷土愛・食育をテーマに共同開発したもの。同大学とコンビニが共同で商品開発するのは今回が初めて。商品名は、愛媛県が東予・中予・南予の3つに分かれていることと、「食べてみてよ」と「食べてみいよ」を掛け合わせて名付けた。
同大学では、欠食、不規則な食事時間、料理が作れないなど多々発生している学生の食に関する現状の問題点を改善するため、2007年より農学部で、翌年から全学で、食に関するさまざまな取り組みを行っている。
全学生を対象とした授業では「『正しい食への誘い』プログラム」を導入。世界の食料事情の中での「日本の食」の位置付けを学ぶとともに、正しい食習慣を身につけることを目的にする。
栄養学の中で特に関心を持った学生向けの授業では、食を総合的に理解し、自らが作り、その大切さを伝えることのできる人材を養成することを目的とする「『愛媛大学食育士』プログラム」を用意。この授業の一環で同弁当が考案された。
「今回は地産地消をテーマにし、各グループがさまざまな弁当メニュー案を作った。商品化された弁当のコンセプトは、県外の人に食べてもらい、愛媛らしさを特産の食品を通すことで知ってもらうこと。地域食材を使用するとともに、愛媛の地図をかたどったデザイン、弁当の名前などにもこだわった。販売期間中、口コミで広がり多くの人に購入してもらえた」と同授業を担当する垣原講師。
「今後もこのような取り組みを数多く行っていくことで、学生たちの食や料理に対するやる気、楽しみ、喜びにもつながると思う。将来的には学生がイベントやシンポジウムなどで、食に対して教えたり、発表できるくらいになれば」と期待を寄せる。