松山のカフェ「ナテュレ」が閉店-今後は姉妹店を中心に営業

店主の藤山さん(左)と同店スタッフ

店主の藤山さん(左)と同店スタッフ

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 松山のカフェ「Naturel(ナテュレ)」(松山市大街道2、TEL 089-941-1130)が5月25日、閉店する。

人気の高かったソファ席

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 2001年12月25日にオープンした同店。松山で初めてカフェラテアートを展開した同店では、当時から本格エスプレッソやオーガニックをコンセプトにしたメニューを提供。店主の藤山健さんは大街道商店街の理事として地域活性に注力し、食育にも取り組んできた。

 藤山さんは「来店された人に『カフェとは何か』を尋ねると本当の意味を知っている人は少ない。それは自分たちの発信不足だったと思う」と話す。「人と人、人と地域がつながる空間が本来のカフェの姿。来店していただいた人に食の大切さやカフェの良さを知ってもらうことがナテュレの理念」とも。

 時代の流れとともにラフォーレ原宿・松山の閉店やチェーン店のカフェの出店など大街道商店街をはじめとする周囲の状況が大きく変化し始めた。

 「地域に密着した個性のある店が存続していくことが難しくなった。カフェもコミュニケーションをとる場というより、閉鎖的に利用されているように感じる」と藤山さん。

 2009年7月にオープンした姉妹店「the bule marble(ブルーマーブル)」は「オーストラリアの開放的なカフェ」をイメージした。座席を区切らず、店内中央には大きなテーブルを配置し、知らない人同士でも密になれる空間にしている。

 「閉鎖的になっているようで、3.11以降、人とのつながりの大切さも見えてきた。閉店を決意したのは、一度ナテュレを閉めて原点に戻るため。カフェは敷居が低く、子どもからお年寄りまで気軽に入れるところ。今後はブルーマーブルを中心にカフェの良さを発信していきたい。どんな形になるかは決まっていないが、いつか新生ナテュレが誕生するかもしれない」と話す。

 「10年営業して心に残っていることは、オープン当時にはエスプレッソやオーガニックなどをコンセプトにしたカフェがなかったが、今はそういう時代になり自分の考えが間違いではなかったと認識できたこと。お店の理念や考え方に共感して下さるお客さまが多くいたことがうれしかった」とも。

 閉店後の26日・27日は特別営業を行う。500円以上のデザートは一律500円(売り切れ次第終了)になるほか、コーヒーカップや小物など同店で使った品々を販売するフリーマーケットも予定する。

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