未就学児を対象に、親子で季節に合わせた外遊びを楽しむ「森のようちえんみきゃんっ子」が4月から、松山市で開催されている。
この取り組みは、愛媛県スポーツ振興事業団(松山市市坪西町、TEL089-963-2216)が「みんなダイスキ松山冒険遊び場」(松山市別府町)との共催で昨年10月に始めたもの。本年度も引き続き、愛媛県総合運動公園(松山市上野町)のキャンプ場を利用して、毎週火曜に開かれている。
季節ごとに「たけのこ探し、春の花と虫探し」(4月)、「雨の森を探検しよう」(6月)などの遊びを楽しみながら、「火育・食育」として、たき火を使った料理を体験することができる。
イベントを共催する「みんなダイスキ松山冒険遊び場」代表の山本良子さんは、自身が4人の子どもを育てる中で、現代の子どもたちが置かれている「危機的な状況」に気付き、2006年から地域の子ども達に「遊び場」を提供する活動を始めた。
「外で遊ばず、家でゲームばかりしているのは、決してゲームが好きだから、という訳ではない」と山本さんは話す。「昔の子どもは放っておいても自然の中で自由に遊び込み、いろいろなことを学んでいたが、今は残念ながらそれができない社会状況にある。遊びを通して人間性や心の育ちをサポートしようとするとき、一番大切なのは乳幼児の時期。自由度のある環境の中で、子どもたちに『自然の中で、自然と一緒に遊ぶ』という感覚を知ってほしい。泥だらけになり、けんかもしながら、経験値を上げていってほしいと考えている。自分が子育ての中で経験したことだからこそ、こういった『遊び』の大切さを、次の世代にも伝えていきたい」と熱意を語る。
自身も子どもと一緒にイベントに参加した経験がある、愛媛県総合運動公園主任指導員の宮岡彩乃さんは「保護者目線で見ると、回を重ねるごとに子どもたちの遊びの幅が広がっているのが分かり、とてもいい影響があると感じている。県総合運動公園としても、一般に認知度の低かったキャンプ場の存在を多くの方に知って頂き、楽しく利用してもらうことができるようになったのはとてもうれしい」と話す。
対象は未就学児とその家族、各回定員20組(事前申し込みが必要)。参加費は、子ども1人当たり800円で、2人目以降は1人500円。大人は無料。別途、食事代として1人300円が必要(大人・子ども共通)。