開店10周年を迎えた松山の「ふるぎやきっかけや肉」(松山市千舟町3)が8月10日、記念ライブイベント「賢い肉」を開催する。
同店のオープンは2009(平成21)年8月8日。店内には、店主の矢野貴士さんがセレクトした音楽が流れ、壁にクレヨンで色とりどりのイラストが描かれた個性的な空間には、インポートや国内でセレクトした古着に加え、エスニック調のものや着物まで、幅広くセレクトされた商品が所狭しと並ぶ。
矢野さんは松山市の出身。古着が好きで、いつか自分でも古着屋を開きたいと考えていたが、「ただ古着を売るだけの店では面白くない」という思いが、「ふるぎやきっかけや肉」という店名と、現在の営業スタイルにつながった。
「肉」という印象的な店名の由来について、矢野さんは「店の名前を考えるとき、身体に近い文字で、また、店のロゴにしやすいよう漢字1文字のものにしたいと考えているうちに『肉』という字を思いついた」と振り返る。「変な名前なので知人などに反対もされたが、漢字の持つ意味や由来などについて調べるうちに『近しい関係性』や『身体性』『人間的』などの意味合いを持つことを知ってピンと来るものがあり、最終的にはこれしかないと思い決めた」と話す。
矢野さん自身、以前は『愛媛には面白いことが少ない』と感じていた時期があったという。しかし、小さなきっかけからいろいろな人と知り合い、イベントなどに足を運ぶ中で「面白いことが少ないのではなく、自分で発見することができていなかっただけ」と気付いた。店舗のオープン時には「『内』に『人』を加えて『肉』。店名にちなみ、店がお客さんにとって、何らかの刺激や、アクションにつながるきっかけを生む場所、自然と人が集まるような場にしていきたい」と考え、思いを形にするために工夫を重ねてきた。
古着のセレクトや普段の服装についても、普通なら「これはないな」と思うようなものをあえて着てみたい、という気持ちがあるといい、一風変わった雰囲気の服や、派手なものを着ていることで、それが出会いのきっかけになることも多かったとも。古着の持つ面白さや魅力を伝えるため、店内のほとんど全ての商品には、値段とともに矢野さん手書きの「おススメコメント」を書き添えている。ブログやツイッターでも、新商品が入荷する度に一点ずつ、紹介コメントと写真を掲載して紹介を続けている。
イベントを前に、矢野さんは「店を構え、自分の場所を持ったことで、ジャンルを問わずさまざまな情報を発信し、多くの人に届けられる機会が増えたと感じている。10周年記念イベントは、日頃よりご愛顧いただいてる皆さま、お世話になっている皆さま、これまで支えていただいた皆さまへの感謝を込めて企画した。来場者は、これまでにつながりのある人が多くなると思うが、これまで店のことを知らなかった人にもぜひ来てほしい。その未知への一?を踏み出せることはすごいこと」と、日頃の感謝と新しい出会いへの期待を語る。
ライブイベント「賢い肉」は、「音溶 oto-doke」(三番町2、TEL 090-6550-9030)で21時から。料金は2,000円(要ワンドリンクオーダー)。店の営業時間は月曜から金曜の13時~20時、土日祝日は12時~20時(木曜定休)