坊っちゃん劇場(東温市見奈良)で2月7日、15作目となるミュージカルの制作発表記者会見が行われた。
タイトルは「~おかやま桃太郎伝説~鬼の鎮魂歌」。2018(平成30)年に岡山市の「『桃太郎伝説』の生まれたまちおかやま~古代吉備の遺産が誘う鬼退治の物語」が日本遺産に選ばれたことから、今回、ミュージカルの題材として取り上げた。
物語は、古代の岡山「吉備の国」を舞台に、鬼と呼ばれる好青年「温羅(うら)」と、大和の国から鬼退治の命を受けた「桃太郎」の友情を軸に展開。住民を苦しめていると思われていた鬼が、実は特殊な製鉄技術を持つ好青年だったという設定で、全国的にも珍しい「桃から生まれていない桃太郎」が活躍する。
発表記者会見には中村時広愛媛県知事と大森雅夫岡山市長も駆け付け、中村知事は「このミュージカルをきっかけに、瀬戸内海をPRしていきたい」と、公演の成功に期待を寄せた。
公演期間は、4月11日から約1年間の予定。脚本に羽原大介さん、演出に錦織一清さん、音楽監督および作曲に岸田敏志さんを迎えての制作は、3作連続となる。
錦織さんは「国境や民族を越えた、友情や愛、人間の絆を描いた物語。『恨みを恨みで返す』ような連鎖を断ち切る姿を、コミカルな要素も交えて描くことで、子どもたちにも楽しめる作品に仕上がった。子どもを楽しませることは、大人の使命と考えている。このミュージカルが、子どもたちが楽しみながら、少しだけ大人になっていくきっかけになれば」と語った。