伊予一刀彫「南雲工房」の新作に、パステルカラーを基調にした「アマビエ」が登場した。
南雲工房の「さくら雛十人飾」(2010年日本民芸公募展の受賞作品)
伊予一刀彫は、木目が柔らかく香りの良いヒバ材を使い、熟練の職人が一点ずつ手作業で仕上げる木彫り人形。「干支(えと)・正月飾り」「ひな人形」「五月人形」「月とうさぎ」ほか、日本の四季をモチーフにした作品を展開しており、2004(平成16)年のさる年には南雲工房作の干支飾り「三番叟」が、2016(平成28)年のとり年には「冠」が、全国年賀切手の図案に採用されている。
南雲工房三代目の西川信平さんは「コロナ禍で疫病を払うとされる江戸時代の妖怪アマビエに注目が集まり、5月ごろからSNSを中心にクリエーターらが作品を投稿する『アマビエチャレンジ』などが話題になっていた。この困った状況が早く収束してほしいという願いを込め、一刀彫のアマビエ制作を始めた」と話す。
南雲工房のアマビエは、高さ7センチほどの手のひらサイズで、コロナ禍収束と「きっとよくなりますように」の祈りを込め、手を合わせたポーズ。手にとった人が少しでも明るく前向きな気持ちになるようにと、ピンクやオレンジ、水色や淡い紫など、優しく明るい色合いを基調にした全5種類をそろえ、6月初旬に販売を始めた。
「今年は新型コロナウイルスの影響で、初節句のひな人形を購入できなかった家庭があると多方面から聞いている」と西川さん。道後商店街のオフィシャルショップ「花心」(道後湯之町、TEL 089-945-9050)では「令和・初節句御人形特別展」と共に受賞作品や人気作品を、9月30日まで特価で販売している。
アマビエは色違いの5種類があり、専用座布団と台座、作品木札付きで3,850円(送料・代引き手数料・振り込み手数料込み)。「花心」の営業時間は8時~21時。