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松山でオーボエとバイオリンのデュオコンサート 未就学児対象に無料の「お散歩リハーサル」も

オーボエ奏者の藤井貴宏さん(独バイエルン州の自宅より)

オーボエ奏者の藤井貴宏さん(独バイエルン州の自宅より)

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 松山市内の教会大ホール(松山市味酒町2)で4月28日、バイオリンとオーボエのデュオコンサートが開催され、開演前には未就学児と保護者を対象にした入場無料の「お散歩リハーサル」も行われる。

 「お散歩リハーサル」は地元音楽ファンの声を受けて、オーボエ奏者の藤井貴宏さんが企画したもの。「本格的な演奏会を聴く機会がない小さな子どもたちとその親御さんに、少しでも音楽に触れてほしい。未来ある子どもたちの、一つの経験の場になれば」と、未就学児とその保護者を対象に、リハーサル中の演奏を、入退出自由・入場無料で楽しめる時間を設定した。

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 演奏するのは、ドイツで活躍する長野県出身のオーボエ奏者、藤井さんと、三重県出身でバイオリニストの高橋真珠さん。佐渡裕さんが音楽監督を務める兵庫芸術文化センター管弦楽団創立時の同期メンバーだった2人が、モーツァルトの名曲をデュオで奏でる。プログラムは「きらきら星変奏曲」「バイオリンソナタ第40番変ロ長調 K.454」二重奏版のほか、歌劇「フィガロの結婚」「後宮からの逃走」の名曲も。

 藤井さんとオーボエの出合いは、中学校で入部した吹奏楽部にさかのぼる。「部長が演奏するオーボエに惹かれ、1年生で一人のオーボエ奏者の座を勝ち取ったところまでは良かったが、学校の楽器は古くてちゃんとした音も出ないような状態。先輩たちの演奏に憧れながら毎日枕元に置いた楽器のカタログを眺める日が続いていたある日、学校から帰ったら家に『親と楽器屋さんと新品のオーボエ』がいて…」と藤井さん。

 「量産できないオーボエは、最低でも40万円くらいする高価なもの。自分だけの楽器を手にしてしまったその夜は、うれしいのと同時に『ヤバい、どうしたらいいんだ』と興奮で眠れなかった。考えた末、『誰よりも一番練習しよう』という結論に達した」と振り返る。

 「買ってもらって、ただ吹くだけでは終わらせたくなかった。凝り性で、きっかけがあれば何か一つに一生懸命になってしまう性分だと思う」と話す藤井さん。それからは毎日「朝から晩まで学校でオーボエを吹いていた」と言い、中学3年生のとき、吹奏楽コンクールで審査員を務めた先生から勧められて、初めて東京でのレッスンに参加した。「その時、師事した先生がとてもすてきだった。思わず『もう一度レッスンしてもらえませんか』とお願いしたら、話の流れで東京藝大を受験することが決まっていた」と、笑顔で当時を振り返る。

 「松山には、これまで15年で40回ほど訪れている。松山の人は、人とのつながりを大切に、丁寧にしてくれる印象」と話す藤井さん。

 現在は、本拠地ドイツで「ドレスデン・バッハ=ゾリステン」のメンバーとして活躍。日本でも定期的にオーケストラ出演や演奏会をこなす傍ら、母校である東京藝大同窓生の依頼をきっかけに、15年にわたって愛媛大学交響楽団で指導に当たるほか、伊予高校吹奏楽部なども指導している。

 「今回一緒に演奏するバイオリンの高橋さんは、一言で言うとインスピレーションの塊で、音楽家というより宇宙人と言った方がいいような人」と笑顔を見せる藤井さん。

 「バイオリンとオーボエは、どちらも人の声の波長に近いといわれており、オーケストラでも主旋律のパートを受け持つことが多い楽器。その2つがあえてデュオで演奏をすることで、歌と伴奏を交互にやり合うような面白さや、響きの良さなど大きな魅力が生まれる。高橋さんのバイオリンとのコラボだからこそ生み出せる音楽を楽しんでほしい」と呼び掛ける。

 未就学児とその保護者を対象にした「お散歩リハーサル」は17時30分~18時で入退出自由、入場無料。コンサート「バイオリンとオーボエで奏でるモーツァルトの世界 Vol.2」は18時30分開場、19時開演。チケットは、大人=3,000円、高校生以下=2,000円。チケットの申し込みはメールまたは電話で受け付ける。

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