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三津「トイズブレッドファクトリー」がリニューアル アメリカンな服も扱うパン店に

リニューアルしたトイズブレッドファクトリー店内の様子

リニューアルしたトイズブレッドファクトリー店内の様子

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 パンとアメリカ雑貨を販売する「TOYS BREAD FACTORY(トイズブレッドファクトリー)」(松山市三津3)が、4月1日の1周年を機に店舗奥の畳の部屋を改装し、アメリカンな洋服の取り扱いを始めた。

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 店主の酒井直さんが、国道437号線沿いの元うどん店を町家バンク「ミツハマル」から紹介してもらったのは2020年3月のこと。三津ふ頭に面した海風が抜ける空間を自分たちの手で昼夜問わず改装し、1カ月後の4月1日、10代のころから好きだったアメリカ雑貨とパンの店をオープンした。

 専門学校卒業後、東京で70人の従業員を抱える実家のパン店を手伝っていたころは、25年間、365日休むことなく働き続けていたという酒井さん。方向性の違いや資金繰り、働き方に悩まされ、東京を離れることを決意した。

 妻の祥子さんが瀬戸内海に憧れていたこともあり、2019年秋に初めて愛媛を訪れた酒井さん。「空港に着いたとたん体が軽くなった。愛媛の空気が体に合っていると感じた。人生で初めての『体感』だった」と当時を振り返る。「パンにはなるべく添加物を使わず、子どもたちが安心して食べられるものを意識するようになった。東京では考えたこともなかったのに…愛媛の空気はパン作りにも影響を及ぼしたと思う」とも。

 「開店当初、パンを作るための大きな機材を買う資金がなかったため、早朝から手作業でパンを作ることになった」という。「でも、それが功を奏して、生地にストレスが掛からない、おいしいパンを提供できるようなった」と笑顔を見せる。

 「東京では会社を潰さないようにと、そのことだけを考えて生きていたが、今は自分の人生を家族とともに歩めている」と話す酒井さんの横で、中学生になった長女は「愛媛に来て自然に触れ、新しい自分を知ることができて、何より自由になれた。東京を離れた決断を後悔しないでほしい」と両親にエールを送る。

 店内に並ぶ雑貨の中には、酒井さん個人のコレクションも。メインの商品は、アメリカ雑貨のバイヤーをしている東京時代の友人から酒井さんがセレクトして仕入れている。店内は、照明のシェードに家族で食べたケンタッキーフライドチキンの空き箱を利用するなど、ユニークな工夫が随所に見られる。

 「パン屋なのに、パンよりも雑貨の方が大きなスペースを占めていて、パン自体もアメリカ雑貨のよう。行ったことはないが、アメリカのパン屋もこんな感じなのかな、と楽しい気分にさせてくれる」と話すのは近所に住む常連の女性客。

 店にはこれからも少しずつ酒井さんセレクトのアメリカ雑貨が増えていき、季節に合わせた新作パンも意欲的に作っていくという。人気商品は、クランチナッツドーナツ(190円)、キャラメルクランチドーナツ(170円)、三津浜カンパーニュ(900円)@アットおどろくクリームパン(160円)、ニューヨークマフィン(200円)、塩パン(130円)など。

 営業時間は9時~(売り切れまで)。日曜・月曜・火曜定休。

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