松前町の総合園芸店「ファンガーデン」(松前町東古泉)が愛媛県私立幼稚園協会に夏野菜の苗1000本を寄付し、慶応幼稚園(松山市森松町)で6月2日、贈呈式を行った。
同店は野菜接ぎ木苗の生産販売で国内シェア15%を占めるベルグアース(宇和島市津島町)の子会社。果樹や野菜・花苗、観葉植物、変わった姿が人気の「ビザールプランツ」などを幅広く取り扱うほか、貸農園の運営や野菜作りの講習会などの普及活動にも力を入れている。
この取り組みを発案したのは、自身も小学1年生の子どもを持つベルグアース経営企画部の宮本さん。「コロナ禍で子どもたちの活動が大幅に制限される中、園内で楽しめる『ベルグアースらしい』支援をしたい」と同社社長に提案して実現した。
贈呈式では、ファンガーデンの高田和彦社長が園児たちに野菜の苗を手渡し、子どもたちから口々に「これ知ってる」「ピーマン食べられるよ」などの声が上がった。同園の二宮一郎園長は「夏野菜の栽培は園でも初めての試み。子どもたちが予想以上に喜ぶ姿に驚いた」と笑顔を見る。
「以前、長野農場で近隣の幼稚園に花苗を寄贈したことがあったが、規模の大きな野菜苗の寄付は今回が初めて」と宮本さん。「野菜の栽培は小学校の授業で行われるが、経験上、野菜苗に最も興味を持ってくれるのは幼稚園くらいの子どもたちだと感じている。栽培の失敗や成功も含め、野菜がどんな風に育って自分たちの口に入るのかというシンプルなことを、実際に子どもたちに体験してほしい。毎日食べる野菜を作ってくれる農家の人たちへの感謝の気持ちにもつながれば」と期待を込める。