松山の道後公園グラウンド(松山市上市2)で10月2日~4日、「野外劇団・楽市楽座」による旗揚げ30周年記念公演「うたうように」が上演される。
同劇団は、長山現座長が1991(平成3)年5月に旗揚げ。大阪を拠点に活動していたが、2010(平成22)年から家族4人の団員が、旅をしながら全国各地の公園や寺社の境内などを巡回して野外公演を行うようになった。
団員は座長のほか、副座長の「母」こと佐野キリコさん、「娘」の萌さん、「娘婿」の佑之助さん。野外劇は、大きなプールの上に浮かべた丸い盆舞台が水流でクルクル回る「水上回り舞台」で上演する。いつもの見慣れた場所が非日常の空間に変貌する様子や、劇中に盛り込まれる歌や出演者による生演奏で、子どもから大人まで幅広く楽しめる舞台を演出している。
同劇団は旗揚げ1年目の1991(平成3)年、内子座(内子町)と松山劇場(松山市湊町3)で初演と第2回目の公演「百億ノ島・一ツノ海」を行っている。松山では2016(平成28)年に石手寺境内(石手2)で初演し、今回が5回目の公演となる。
松山で会場コーディネートや広報などをサポートしている秦元樹さんは「秋の夜、道後公園に現れる特設水上回り舞台で、歌って踊る旅の一家の野外劇。野外劇と併せて、芸能と共に旅と生きる姿も見て感じてほしい」と来場を呼び掛ける。
10月2日には、三津を拠点に活動するバンド「覚醒チンドンネットワーク」が幕間に登場して舞台を盛り上げる。2018(平成30)年に結成し、メンバーは7人。「港町・三津浜で時代に先駆けて覚醒した面々が浮世に覚醒の種をまくべく結成したチンドン組合」をコンセプトに、音楽イベントなどで活動するほか、商店街や街での練り歩きも行っている。小唄や芝居、舞踏、時代劇などを織り交ぜ、名物の大ナマズに扮(ふん)したメンバーも登場するパフォーマンスは、SNSなどで「泣く子はもっと泣く」「チンドンの奇天烈(キテレツ)なドンチャン騒ぎに遭遇してしまったら、事故」などと評される。
10月3日には幕間で市内の専門学校生が朗読を披露。4日には「踊る材木屋」こと、舞踏家のzooが彩を添える。
覚醒チンドンネットワークで舞いを担当する忽那直美さんは「楽市楽座が作り出す非日常な空間の中で、家族や気の合う仲間たちと楽しく食事を共にするような時間を共有できれば。短い幕間だが、胃もたれするくらい目いっぱい『笑われる』よう務めたい」と意欲を見せる。
18時30分開場、公演は19時~20時30分。入場無料で観劇料は投げ銭式。雨天の場合は客席に竹骨テントを設置する。