松山の堀之内公園(松山市堀之内)で10月19日夜、経営者などの有志団体「希望の光プロジェクト」がサプライズ花火を打ち上げ、ライトアップされた松山城をバックに市街地の空を彩った。
10月19日、松山市の澄み切った秋の夜空に打ち上げられた「サプライズ花火IN堀之内」
打ち上げ開始は19時50分頃。約10分間にわたり500余りの花火を打ち上げた。企画したのは、市内で飲食店などを経営する齋藤友茂さん。市内の経営者を中心に集まった6人の実行委員が、88の地域企業や個人の協賛を受けて実現にこぎ着けた。
齋藤さんは「最初にサプライズ花火を企画したのは今年の6月頃だった」と振り返る。「当初は8月31日の打ち上げを予定していたが、コロナのまん延防止措置や感染対策期の影響で延期を重ね、やっと実現できた」とも。
「市内で飲食店を経営しているので、コロナ禍の影響を肌で感じる日が続いている」と齋藤さん。「イベントも中止が続き、街には明かりがなく、人の動きも少ない。暗い話題ばかりで楽しみが少ない中、何かできないかと考え、頑張っている人や気持ちがふさいでいる人に元気を届けたい、夢を大きく打ち上げて復活に向かう起爆剤にしたいと市街地での花火を企画した。仲間や地元の先輩方の力を借り、多くの企業や有志の協賛で実行にこぎ着けることができ感謝している」話す。
観客が集まることを避けるため、事前の広報を行わずに実施した「サプライズ花火 IN 堀之内」。SNSには音で打ち上げに気付いた人たちの「どこでやってるんだ」という投稿に始まり、「久々に打ち上げ花火を見た気がする。来年は普通に花火大会ができますように」「コロナ禍で切羽詰まっていた気持ちが少し和らいだ」「松山城を背景に打ち上げられる花火に、堀之内公園で松山祭りが行われていた子どもの頃のことを思い出した」などの感想が寄せられた。
松山市内在住の写真家、高橋浩さんは「秋の澄み切った空に花火が良く映え、北風が程よく吹いて、花火の煙をすぐさま一掃してくれるのもいい。これからは秋の花火もいいかもしれませんね」と話す。
齋藤さんは「地域の先輩方の支えで実現できた。諦めず粘り強く行動を起こすと、形にできるのだと改めて感謝の気持ちでいっぱい。街に光を、みんなに勇気と笑顔を届けられれば」と笑顔を見せる。サプライズ花火打ち上げの様子はユーチューブでも公開している。