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松山で2つの「冬休み・休日子どもカレッジ」子どもと地域をつなぎ感性の育ちに寄り添う

これまでに開催した「まちのがっこう休日子どもカレッジ」(左上・左下)と「いよココロザシ大学附属学園」(右上・右下)の様子

これまでに開催した「まちのがっこう休日子どもカレッジ」(左上・左下)と「いよココロザシ大学附属学園」(右上・右下)の様子

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 松山市で冬休み期間中、働く親と子どもの育ちを応援する「休日子どもカレッジ」が開かれ、現在参加者を募集している。

今夏に開かれた「まちのがっこう休日子どもカレッジ」の様子

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 「休日子どもカレッジ」は春夏冬の長期休暇中、保護者が仕事などで家庭にいない小学生の居場所確保を目指す、愛媛県と松山市の補助事業。体験の補完や保護者のサポート、学童保育の待機児童問題解消を目指している。

 今冬は、ワークライフ・コラボ(松山市緑町1)が「まちのがっこう休日子どもカレッジ」として12月27日~29日と1月4日~7日の7日間、いよココロザシ大学(南堀端町4)が「いよココロザシ大学附属学園・冬」として12月27日・28日と1月4日~7日の6日間、開催する。

 2017(平成29)年の春休みから同事業に取り組んでいるワークライフ・コラボ代表の堀田真奈さんは「保育園の待機児童問題が大きな注目を集めているが、小学生以降の待機児童問題も深刻」と話す。「一昔前の子どもたちは、放課後や休みの間、公園や町中で遊んで過ごしていたが、今は町なかが安全な居場所ではなくなってしまい、塾や習い事で時間を過ごす子どもたちが増えている」とも。

 「子どもたちには時間も仲間も、自由に遊べる空間もないのが現代の実情。企業は人材に高いコミュニケーション能力を求めるが、今の子どもたちにはそれを育むチャンスがない」と居場所づくりの大切さを訴える。

 堀田さんが目指すのは「地域で取り組む子育て」の具体化。「まちのがっこう休日子どもカレッジ」は松山大学を会場に、研修を受けた育成支援スタッフや学校教諭経験者のシニア世代、学生ボランティア、地元の企業関係者などがスタッフとして関わることで、子どもたちと地域に眠る人的資源をつなぐ試みを行っている。

 プログラムは、ボランティアスタッフによる冬休みの宿題サポートのほか、大学や企業が協力する社会教育プログラム、自由遊びなど多彩。「車からの給電体験と防災リュック作り」はトヨタカローラ愛媛の協力で実現した。愛媛大学陸上部が「駆けっこが早くなる走り方教室」を指導するほか、伊予市内に本社を置くマルトモは「だしを取っておいしさを体験する講座」を開く。

 「『想像と創造の居場所』と位置付け、子どもたちの感性の育みに寄り添いたい」と話すのは、「いよココロザシ大学附属学園・冬」を開催する泉谷さん。今年の夏に初めて開講し、今回が2回目。松山市ハーモニープラザ(若草町8)を会場に、学習補助や、愛媛県特産の大洲和紙を使った創作、伊予銀行の協力を得て行う銀行見学や「お金の回り方」を学ぶプログラムも計画している。

 泉谷さんは「子どもたちの感性を育むために欠かせないのが『本物』。内子町の天神産紙工場にお願いしたところ、快く大洲和紙を提供してもらった。冬休みなので正月遊びも欠かせないと、しめ縄作りや羽子板、たこ揚げ、福笑いなどもプログラムに取り入れたいと気ぜわしく準備を楽しんでいる」と話す。

 「何もしない自由も大切」と泉谷さん。スケジュールの一部は子どもたちの選択に任せているといい、体育館や図書館が併設された施設の特徴を生かして、プログラムに参加せず、自由に過ごせる時間も確保する。

 堀田さんは「第1期生として『まちのがっこう』に参加してくれた子どもが高校生になって、ボランティアに来てくれるようになった」と笑顔を見せる。「最初は子どもと遊べばいいだけ、と気軽に参加するボランティアの学生たちも、声掛けの仕方やけんかへの対応など、想定していなかったたくさんの壁を繰り返し乗り越えて、非認知能力を高めていく」と話す。「大人も育つ、大人も学ぶ、という姿勢を大切に、地域と子どものつながりを深く広く育てていきたい」と意欲を見せる。

 「特色の異なる2つの場所から、自分に合ったものを選べるのは素晴らしいこと」と堀田さん。泉谷さんは「一番楽しんでいるのは自分。休日子どもカレッジに参加した子どもたちが『大人っていいな』と思ってくれれば、何よりうれしい」と笑顔を見せる。

 対象者は、松山市在住・近郊で保護者が仕事などで昼間家にいない小学校1年~6年で、定員は各40人。「いよココロザシ大学付属学園」では11月15日正午から、「まちのがっこう休日子どもカレッジ」では11月28日20時から、参加者を募集。

 参加費は、「いよココロザシ大学付属学園」=6日間6,500円、「まちのがっこう休日子どもカレッジ」=1日利用1,650円、7日間のパッケージ利用7,000円。共に別途、年度単位で年間登録料2,200円、スポーツ安全保険料800円などが必要。

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