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クラフトジン「道後ジン六媛(ろくひめ)」、松山県域6市町のふるさと納税返礼品にも

はだか麦をベースにした麦焼酎に、中山栗やブドウ、リンゴ、七折小梅など6市町の特産品素材を加えて仕上げた「道後ジン六媛」

はだか麦をベースにした麦焼酎に、中山栗やブドウ、リンゴ、七折小梅など6市町の特産品素材を加えて仕上げた「道後ジン六媛」

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 松山の水口酒造(松山市道後喜多町3)が10月14日に松山圏域6市町の特産物を使ったクラフトジン「道後ジン六媛(ろくひめ)」を発売、ふるさと納税の返礼品にも選ばれている。

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 松山市と周辺6市町が協働して地域活性化を目指す「まつやま圏域未来共創ビジョン」の一環として開発された同商品。愛媛が生産量日本一を誇る松前町産「はだか麦」の麦焼酎をベースに、伊予市の中山栗や松山の伊台・五明こうげんぶどう、東温市のイチゴ「紅(あか)い雫(しずく)」、砥部町特産の七折小梅、久万高原町のリンゴなどを漬け込んで蒸留。栗やはだか麦由来の香ばしい香りと、フルーツの甘く華やかや香りが楽しめるクラフトジンに仕上げた。

 商品企画に携わった松山市農水振興課の高橋通夫さんは「今年3月に策定された第2期 松山圏域未来共創造ビジョンの下、農林水産分野では水口酒造の協力を得て『道後ジン六媛』を発売することができた」と話す。

 仕込みに使う6つの特産品は収穫時期が異なるため、素材を集めも一年掛かりだったという。夏の伊台・五明こうげんぶどうの収穫を待って全ての材料が出そろい、最終的なブレンドが仕上がった。最初のロットでは200リットルを仕込み、販売好調を受けて11月初旬に2回目の蒸留を行っている。

 ベースの麦焼酎は清酒造りの伝統を生かした「清酒酵母」「黄麹」「三段仕込み」。愛媛県中予地区六市町の特産品素材(ボタニカル)を加え、減圧蒸留で素材の香りや風味を生かした、クセのない、爽やかな飲み口に仕上げた。

 高橋さんは「ジンというと、薬っぽい匂いのきついお酒というイメージがあると思うが、フルーティーな香りでバランスの取れた飲みやすい味わいに仕上がっている。いろいろな飲み方ができるが、個人的にはソーダ割りが好み。あまりジンを飲んだことがない人にも楽しんでもらえるのでは」と期待を込める。

 商品開発と醸造を手掛けた水口酒造専務の水口皓介さんは「まつやま圏域未来共創ビジョンでは以前、特産品の『松山長なす』『松山一寸そらまめ』『瀬戸内の銀鱗(ぎんりん)煮干し』を原料に使った、ユニークな焼酎を手掛けた経験もある」と笑顔を見せる。

 「ジンは香りを楽しむお酒で、飲む香水とも呼ばれている。松山圏域6市町の特産品リストから、ジンに欠かせないジュニパーベリーとの相性なども検討し、地域の特徴を表現できる材料をセレクトした」と水口さん。「愛媛といえば、かんきつのイメージが強いが、それ以外にも魅力的な農産品がたくさんある。お酒と農産物は切っても切れない関係。今回の企画を通じて生産者の方と直接会う機会もあり、今後につながる出会いになったと感じている」とも。

 実はあまりお酒が強くないという水口さんは「あまり飲めないからこそ、お酒が苦手な人の気持ちもよく分かる。お酒が苦手な人にも親しみやすいバランスの良さや飲みやすさを心掛けた」と話す。「お酒は人と人だけでなく、人とものをつないで多彩な表現ができるという面もある。アルコール度数が40度と高めだが、まずは常温のストレートでグラスに注いで、華やかな香りを楽しんでみてほしい」とも。

 価格は、200ミリリットル入り=2,090円、500ミリリットル入り=5,280円。道後商店街の土産物店やネットショップ、空港、港、道の駅などで販売するほか、6市町のふるさと納税返礼品にも選ばれている。

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