松山で2月17日、女性が基礎的なデジタル技術を身につけて「働き方のアップデート」を目指す人材教育サービス「愛媛デジ女JOBトレーニング」が開講した。
デジタルスキルを身につけ、在宅でも企業でも働くことのできるベース作りを目指す同講座。受講生は個々に目標を設定して、履歴書に書けるデジタルスキル認定の取得や、ホームページ制作、動画編集、SNS運用など、仕事につながる技術の習得を目指す。eラーニングを活用して自分のペースで学習を進めるスタイルだが、オンライン・オフラインの交流会も定期的に開催。受講している仲間とコミュニケーションを取ったり、スタッフによるサポートを受けたりすることで「仲間のみんなと一緒なら頑張れる」と、やる気を維持する仕組みを整えるという。
代表を務める飯野めぐみさんが「デジタル技術を身につけて、成長したい女性たちを応援する」ためのサービス開始に向けて活動を始めたのは2021年4月。新しい働き方や、働き手と企業の両方を対象にしたニーズの調査などを経て今年1月、副代表でライターの石山ちかさんとともに、松山市登録NPO団体「愛媛デジ女プロジェクト」の設立にこぎ着けた。
第1期の講座「デジトレ」には15人が参加。飯野さんは「デジタルというと『大変なこと、難しいこと』と考えてしまう人が多いが、まずは普段何気なく使っているスマホサービスなどの延長にある、身近で気軽なものだということを知ってもらえれば」と話す。
「第1期生の中には、『何が分からないのかが分からない』『何かしたい気持ちはあるが、何をすればいいのか分からない』という状態からスタートしたメンバーもいる」と飯野さん。
「資格や技術ありきではなく、その人がどんな目的を持って何を実現したいのかをしっかりヒアリングして、目標達成まで伴走することを大切にしている。ゼロスタートで新しい挑戦をするときには個々に合わせた、きめ細かなサポートが大切だが、行政や大手スクールの講座ではカバーしづらい部分だと感じている。講座に参加した人が、身につけた新しいスキルでやりたいことを表現したり、働き方の選択肢が増えたり、自分にもできるよろこびを感じたりできるようになれば」と笑顔を見せる。
初日の2月17日には、受講生が集まってオフラインで行う「デジトレ」を開催。参加した受講生からは「知らなかったデジタルツールに触れられて良かった」「みんなが一緒に頑張っていることが分かって安心できた」「とても充実した時間だった」などの感想が聞かれた。
飯野さんは「働きたくても働けないという主婦やヤングケアラーなどの介護者、コロナ禍で職を失ったり収入が減少した非正規雇用者やシングルマザーなど、今の仕事や働き方に不安や疑問を抱えている女性は多い。仲間とつながり、刺激し合いながら楽しく技術を身につけて、新しい一歩を踏み出してほしい」と話す。
プロジェクトでは講座を受講した人と企業のマッチング支援も行う。女性ならではの視点を生かしたオンライン上でのモニター企画・マーケティングなどの依頼も受け付けており、3月には初心者も取り組みやすい東京のライティング案件も受注しているという。
飯野さんは「多彩な働き方のロールモデルを身近なものとして感じることで、『私にもできる』『こんな風になりたい』と感じるきっかけ作りにもつなげていきたい」と意欲を見せる。
第1期は2月17日~3月31日。途中参加も受け付けている。参加費は、初回特別価格=2,000円。通常価格=5,000円。第2期は5月以降に開催予定。