松山の介護施設「託老所あんき」(松山市西垣生町)で7月21日、地域福祉を考える「地域づくり専門講座」が開催された。
愛媛県内の地域づくり活動の中心となって活躍していくリーダーを養成する「地域づくり人養成講座」の一環で行われた同講座。主催は、えひめ地域政策研究センター。人材育成のほか、研修と通じ県内各地の地域づくり実践者との交流を図り、将来にわたる幅広い地域づくりネットワークの構築を図る。座学、事例研究や県内各地域に出向いて専門講座など年間6回の連続講座となっている。今年度の講座は、10~70代の市町職員、NPO、まちづくり団体、大学生などが受講している。
専門講師は同施設代表の中矢暁美さん。昨年の受講者から同施設の講座が好評だっため、今年も引き続き行うことになった。中矢さんは「老いても障害者になっても介護者に自分らしく住み慣れた環境で生きていくための手伝いをしたい」と愛媛で初の託老所を開設。託老所の名前は自分の家のように安らかなところにしたいとの思いを込め、伊予弁で「気楽」を意味する。高齢者が集まる場所ではなく、異世代の交流や地域の支え助け合いの拠点になればと地域通貨を実施している。
中矢さんは「お年寄りと従業員の縁だけでなく地域との縁があり、お年寄りに地域の住民が顔を覗かせることもある。人が集まるところがコミュニティーになる。今はそれが徐々になくなりつつあるが、地域の人との縁を大切にしていきたい」と講義で話した。