道後・湯築城前に10月18日、雑貨店「BRIDGE(ブリッジ)」(松山市岩崎町2、TEL 089-993-8488)がオープンした。
店舗面積は約8坪。店主の大塚加奈子さんは10年間、百貨店で輸入バックの販売に携わっていた。5年前に出産を経験してから大塚さん自身のライフスタイルが変化し、衣食住で使える手の込んだ日用品を選ぶようになったという。
大塚さんは「手の込んだ日用品を選んでいく中で、日本や海外に昔からある伝統工芸品を知った。それまではあまり経済について考えたことがなかったが、作り手の高齢化や技術継承者の減少に危機感を覚えるようになった」と話す。
バックの販売会社に入社する前までを勤めていた和食器とギャラリーの店で「ものの価値や選び方」を学んだという大塚さん。いつか自分の店を持って自分がいいと思うものを提案していきたい、という気持ちが以前からあり、退職後、同店を開いた。
主な商品は、海外や日本で昔からある工芸品を現代の生活になじむようデザインされたものを多く取り扱っている。国内では松山の人でも新鮮に思われる柄を選んだという砥部焼、香川の保多織、100年以上前の織り機を使って作る福岡の久留米絣(がすり)の「箱布」(1,575円)、宮島のしゃもじ(945円)、新潟・燕市の計量スプーン(大=788円、小=630円)のほか、鹿児島の知的障害者施設の作品などを販売している。海外ではベトナムの布製品、トルコのパッチワークじゅうたん、スウェーデン、フランスなどから買い付けたものを取り扱う。
「伝統工芸として守らなければいけないところは守り、現代の生活に合うように柔軟に対応しているものが多い。知的障害者施設のものは知的障害者の人が絵を描いたり、木を掘ったりと自分が得意なものを生かした作品を作り、使い手が日常に取り入れたいと思えるものにするため一工夫されている」と大塚さん。
「伝統工芸に携わる人の生活を守るためには使い手の意識が変わらなければならない。多くの人に優れた技術・道具・人を紹介し、その架け橋になる店にしていければ『ブリッジ』という店名にした」という。「取り扱う商品は実際に使って、本当にいいと思えるもの・これから先も続いていってほしいというものばかり」とも。
営業時間は10時30分~17時。日・月曜定休。