松山に5月28日、モザンビークの「銃を鍬(くわ)へ」平和構築プロジェクト創設者ディニス・セングラーネさんが訪問した。
セングラーネさんは、モザンビーク聖公会レボンボ教区司教で、1989年、政府とモザンビークの平和交渉に尽力し、内戦を終結に導いた人物。内戦終結後は聖書にある「剣をもって鍬とせよ」という章句から、民間に大量に残された武器を農具や自転車へと交換し「銃を鍬に」プロジェクトとして創始した。
当日はセングラーネさんと共に大英博物館学芸員のクリストファー・スプリングさん、国立民俗学博物館教授の吉田憲司さんも来松した。12年間モザンビークを支援してきたNPO法人えひめグローバルネットワーク(松山市東雲町)がコーディネートを務めた。
一行は松山到着後、松山市副市長山口最丈さんを表敬訪問し、モザンビークとの交流を続けて6年目となる新玉小学校児童にも対面。その後、松山市立考古館を訪問し、同NPOが運営するフェアトレードカフェ「WAKUWAKU」で平和20周年記念交流会が行われた。
小学校訪問時には、「いつ戦争のない平和な日が来るのか」という小学生の質問に対し、「何千マイルもの道のりもたった一歩から始まる。平和への歩みも同じ。いつになるかは分からないが歩み続けることが大切」と話した。
同NPO代表の竹内よし子さんは「いつかモザンビークにも資料館を作りたい。資料館や博物館は自分たちの国を振り返るきっかけになる。モザンビークの人々の平和をつくるために行った努力を多くの人に見てもらうことで、世界中が平和になることにつながれば」と話す。