

四国霊場第五十一番札所・石手寺(所在地:愛媛県松山市、住職:藤井俊良、以下石手寺)は、2026年4月4日(土)に「第45世石手寺住職晋山式」および「三重塔修復落慶法要」を執り行います。
本イベントは、石手寺創建1300年記念「再生プロジェクト」の一環であり、開催100日前の本日、情報を解禁します。
■開催概要
名称:第45世石手寺住職晋山式・三重塔修復落慶法要
日時:2026年4月4日(土)13:00頃~16:00頃
場所:石手寺(愛媛県松山市石手2丁目9-21)および道後周辺
内容:お練り供養(坊っちゃん広場~道後商店街~石手寺)
晋山式・落慶法要(石手寺本堂・外陣・内陣)
餅まき(三重塔前)
備考:雨天時、お練り供養の道順、式典の内容などの詳細については決定次第お知らせします。
■コンセプトは「Reborn(リボーン)」
本プロジェクトのコンセプトは「Reborn(リボーン)」です。単に建物を修復するだけでなく、石手寺を「心が清らかになり、生きる勇気が湧いてくる空間へ」と“再生”し、今を生きる人々が集う場所として、常に新しくデザインし続けることを目指しています。
今回の第45世住職・藤井俊良の就任(晋山式)と、シンボルである三重塔の修復完了(落慶法要)は、この「Reborn」の象徴となる重要な儀式です。
■地域参加型イベントとして現代風にお練り供養を「Reborn(リボーン)」
958年頃から1860年代までの約900年の間、石手寺(末寺・明王院)は道後温泉の管理を任されていたとされています。近年では、道後温泉に隣接する観光地の一つとして、石手寺も賑わってまいりました。
道後温泉は2024年に保存修理工事が完了し、石手寺の三重塔も1935年以来約90年ぶりに修繕を終えました。さらに境内全体の整備も進める予定です。
道後温泉と1000年以上にわたり時をともにしてきた石手寺は、本プロジェクトを契機に、その関係性の“再生”に積極的に取り組みます。
これを体現する祭事として、石手寺の縁起の再現に伊予代主越智玉純(おちたまずみ)がこの地に25人の菩薩(ぼさつ)が舞い降りたという夢の様子を表現する「お練り供養」を実施します。このお練り供養では、子どもの学力向上、新入社員の活躍、稲が育つように生命が成長すること等、五穀豊穣を願い、道後温泉から道後商店街を通り、石手寺までの1km以上の道のりを、約100名(予定)が練り歩きます。本行列は2016年に発見された絵巻物に描かれたお練り供養行列を再現したもので、1204年に始まったとされています。
絵巻物には、熊野12社権現に降り立った二十五菩薩が描かれており、天女、天神、農民など、約100名を超える人物が列となって歩いている様子が示されています。今回の「お練り供養」はこの歴史的な行列を23年ぶりに再現するものとなります。


※画像はイメージです。
石手寺に到着後、新住職の門出を華やかに祝う「第45世石手寺住職晋山式」を営みます。その後、修復された三重塔と鐘楼をお披露目する「三重塔修復落慶法要」を行います。最後に修復された三重塔の前で、祝いの「餅まき」を行い、1日をかけて道後から石手を盛り上げて参ります。


※画像はイメージです。
2026年4月4日を石手寺「Reborn(リボーン)」元年とし、地域に開かれたお寺を目指し、多くの皆様への感謝と福をお届けします。
■住職プロフィール
第45世住職 藤井俊良(ふじい しゅんりょう)1985年3月、兵庫県生まれ。小野高等学校、日本大学商学部卒業後、経営コンサルティング会社に勤務。
2015年にIT企業を起業し、10年間代表を務める。
先代住職・加藤俊生(義父)の急逝を受けて事業を売却し、2024年8月より石手寺住職に就任。
前職で培った経営やマーケティングの知見を生かし、境内全体のストーリーを再構築。
仏教やお寺の歴史を現代の人にもわかりやすく伝え、「抜苦与楽」――人々の苦しみを取り除き、安らぎと希望を届けることを人生の使命として、積極的に取り組んでいる。



■創建1300年記念 再生プロジェクトについて
2028年に創建1300年を迎える節目に、文化財の修復や境内の整備を目的に2025年5月に発足した「再生プロジェクト」。
2029年、世界遺産登録に向けた史跡指定が予定されており、境内の改修や整備に多くの制約がかかる可能性があり、“今こそ”環境整備に取り組むラストチャンスであると考えています。
環境整備にかかる費用はクラウドファンディングで寄付を募っています。目標金額と用途が明確化された短期間で寄付を呼びかける全6回のショート寄進と、創建1300年を迎える2028年まで再生プロジェクトの応援を募るロング寄進によって再生の歩みを、みなさんと一緒に進めていきたいという住職の願いが込められました。
・ショート寄進
https://ubgoe.com/projects/908

・ロング寄進
名称:石手寺創建1300年再生プロジェクト
募集期間:2025年5月~2028年2月末
目標金額:300万円
内容:創建1300年の大きな節目を迎える2028年までの石手寺の“再生”に向けた整備・改修
https://ubgoe.com/projects/909
◆石手寺について
石手寺は、四国八十八ヶ所霊場第五十一番札所であり、元祖遍路の伝承を今に伝える、「遍路を象徴する寺」として知られています。
元祖遍路・衛門三郎の物語は、およそ千年以上前(平安時代)に遡るとされ、「浄化」「再生」という、遍路の根本的なテーマを体現する伝説として、今日まで語り継がれてきました。
石手寺には、国宝・重要文化財:10点
県・市指定文化財:46点
が現存しており、さらに未指定ながら歴史的・文化的価値の高い文化財も多数残る、四国屈指の古刹です。

◆石手寺縁起(衛門三郎伝説)
むかし、伊予国(現在の愛媛県)に、衛門三郎(えもんざぶろう)という豪族がいました。河野氏の一族とされ、裕福ではありましたが、強欲で神仏を敬わず、慈悲の心を持たない人物だったと伝えられています。
ある日、托鉢を行う一人の僧が三郎の屋敷を訪れました。三郎はこれを追い払い、竹ぼうきで僧の鉄鉢を打ち砕いてしまいます。
その僧こそが、弘法大師空海でした。
翌日から、三郎の八人の子どもが次々と亡くなる不幸が起こります。これを大師への罪と悟った三郎は深く悔い改め、財産を人々に施し、妻とも別れ、大師に謝罪するため旅に出ました。これが、四国遍路の始まりとされています。
三郎は二十回遍路を重ねても大師に出会えず、二十一回目には祈りを込めて逆回り(逆打ち)を始めました。その途中、徳島の第十二番札所・焼山寺の麓で力尽きて倒れます。
そのとき、ついに大師が現れ、「望みはあるか」と尋ねました。三郎は「来世も河野家に生まれ、人の役に立ちたい」と答え、静かに息を引き取ります。
大師は石に「衛門三郎」と刻み、その石を三郎の手に握らせました。
翌年、この地の河野家に生まれた男の子は、左手を固く握ったまま開こうとしませんでした。寺で祈願したところ、その手から「衛門三郎」と刻まれた石が現れます。
この石を寺に納め、寺号を「石手寺」と改めた――これが、石手寺の名の由来と伝えられています。

■参考:お練り供養絵巻物
2016年に石手寺内で発見された絵巻物。
江戸時代に書かれたもので、鎌倉時代(1204年)に始まったとされている「お練り供養」が描かれています。描かれたお練り供養を、この度再現します。
※左巻きであるため、下記順番の通り右から左へ場面が展開します。

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■寺院概要
名称:熊野山 石手寺
所在地:愛媛県松山市石手二丁目9-21
創建:天平年間(728年)
札所:四国八十八ヶ所霊場 第五十一番札所
住職:藤井俊良
Webサイト:https://nehan.net/
