愛媛県美術館(松山市堀之内、TEL 089-932-0010)で2月20日、企画展「濱田亨(とおる)展」が始まった。
同展は、1972(昭和47)年に渡欧後38年余りにわたりパリや東京など国内外で活動してきた濱田さんの大理石の彫刻・絵画・版画など約230点を集めたもの。約10年前から故郷である愛媛県での活動とともに、県内外の支援者の協力を得て、今回同館のメーン企画展として開催することになった。
「個人の作家として、ここまで大きな展示会を実現できたことは光栄なこと。自分の中の芸術の神様へ忠実に、美しいものを作り続けてきた40年にわたる作家活動を振り返るいいきっかけとなった」と濱田さん。
「作家活動としては、習得した技術や表現方法に執着することなく、あえて習得したものの一切を捨てたり、壊したりすることによって、また新たな技術や表現方法を獲得していくということを自分自身に繰り返し果たしてきた。時系列に並べてあるので、そうした作品作りの経過もご覧いただくことができるのでは」とも。
開催時間は9時40分~18時。月曜休館(3月1日・22日は開館。2日・23日は休館)。入館料は、大人=前売り700円・当日900円、高大生=前売り400円・当日600円。3月28日まで。
また、同展の企画の一つとして期間中、松山市大街道商店街内に最大5トンほどある大理石の彫刻作品なども展示しており、2月28日には「街の中のアート」と題したトークライブも行われる。
「作品は通常ギャラリーや美術館にあり、見たいと思ってきた人に見てもらうもの。街中で作品を露出するということは、見たいと思っていない人にも必然的に見せることになり、どのようにとらえられるのか、ひとつの挑戦になると考えている。美術や文化に理解をあまり持てない人にも、作品のもつエネルギーを感じてもらい、さらに興味を持ってもらえたら成功だと思う」。