松山の木材製造卸「久万銘木」(松山市三津2)内に12月13日、「えほんの店コッコ・サン松山店」(TEL 089-952-0333)がオープンした。
コッコ・サンは来年1月で12周年を迎える高知県の絵本専門店で、一般書店には置かれないものを含め国内外の絵本を幅広く取りそろえている。代表の森本智香さんは、自身の子育てをきっかけに絵本専門店を開いた。高知を中心に配布されるフリーペーパーで毎月絵本の紹介をする連載コーナーも持つなど、地元高知では子育て世代に限らず幅広い年齢層に支持されてきた。キャラクターになっている「あやのこうじくん」は週3回、高知店で読み聞かせを行う際に森本さんが使っていたカタツムリのぬいぐるみがモチーフになっている。
「絵本と木は非常に相性がいい」という森本さん。約30種類の銘木を使った高知店と同様、同店でもスギやヒノキなど十数種類の銘木をメーンに店作りを行った。中心には齢500年のカシの木をシンボルツリーとして設置。内装は高知店同様、高知店1階にある白土建築工房(高知県高知市)が手がけた。
店内では絵本2,000点のほか、玩具も取り扱う。1階カシの木の根元にジオラマを設置、天井には空のプリントを施し、玩具で遊べるスペースも。2階のギャラリースペースは照明の明るさを少し落とし、シックな雰囲気にした。
店の外には久万銘木が製造した木材を展示している。森本さんは「大きな木材を見られる機会はめったにない。絵本を買いに来店した人にも木を知るきっかけになれば」と相乗効果に期待する。店内に置く玩具の中には、建築材の端材を使い職人が作った積み木も。本来だと燃やされるはずの素材を利用することで環境面にも配慮したという。
「四国のスギの重さはヨーロッパのスギと比べると半分。温かくやわらかいので、子どもたちから人気がある。端材を利用することで職人にも物を大切にしようとする心が芽生えた。この積み木も絵本とのコラボで生まれたもの」と森本さんは話す。
営業時間は10時~18時(祝日は11時から)。