地域貢献活動を中心に行う大学生サークル「四合和世project『E-toko!(えぇとこ!)』」が1月11日、「第1回四国を元気に起業オークション@カフェ編」を開き、現役女子大学生がカフェの起業を決めた。
昨年5月に結成した同サークル。「四合和世」の名称は、「四国で力を合わせて平和な世界を」というテーマから名付け、松山大学、愛媛大学の学生が集まり、事務局5人、登録メンバー約20人がいる。
同サークルを立ち上げたのは松山大学4回生の古谷侑亮さん。きっかけとなったのは同大学の夏季休校期間中に行われる集中講義で、片岡勝さんと奥谷京子さんが行った市民企業論だったという。古谷さんは就職を選ばず、地域貢献活動を発展させた地域の問題解決を仕事として挑戦し、衰退する四国を若者が救うきっかけの場を作りたいと「インキュベーションE-toko」を立ち上げた。四国の若者が都会ではなく田舎で自立できる場を作ることを目的とし若者のインキュベーションを支援していく。
サークルだったこれまでは大学内の研究室を事務所として利用していたが、松大や関係者などからの支援もあり、校外の2階建ての建物を借り、新事務所を立ち上げた。新事務所は、1階をイベントスペースとし起業する若者の挑戦スペースとして、2階をイベントの企画などを行うオフィスとして利用する。
オープニングイベントして開催した起業オークションでは、事務局スタッフ、カフェ起業候補者3人、地域からの応援者、全国の若手起業家・経営者など約20人が参加。起業を志す3人の現役大学生がそれぞれビジネスプランのプレゼンテーションを行った。プレゼンテーション後はイベントの参加者や会場を訪れていた経営者やスカイプを通じて参加していた県外の起業家のアドバイスや意見交換が行われた。
参加者の多数決により、カフェ経営の権利を勝ち取ったのは松山大学法学部3回生の山下愛奈さん。山下さんは「ものの価値を考えるカフェ」を提案。カフェ内でハンドメード商品や自立しようと働く障害者が作った菓子など、作った人の手間を考えた商品を販売するとプレゼンした。
山下さんは「自分のやりたいことを仕事にしたいと思っていたので、経営できることになり非常にうれしい。最近は低価格なものが増えているが、作った人の気持ちやものの価値を大切にでるカフェにしていきたい。起業家の方から頂いた『ニーズを考える』というアドバイスを踏まえて、市内・県外・全国に広げていきたい」と話す。
山下さんが経営するカフェは2月14日、同事務所1階にオープンを予定。卒業までは大学に通いながら経営するという。