瀬戸内海が舞台となる映画「瀬戸内海賊物語」が5月31日から全国ロードショー開始となる。
今治、新居浜など、瀬戸内の豊かな自然を舞台に、子どもたちが村上水軍の伝説を追って躍動する本格アドベンチャー映画。ロケ地での撮影協力を、今治地方フィルム・コミッションや、新居浜・西条をサービスエリアとするケーブルテレビ局、ハートネットワークなどが行った。
本作の原案は2011年に開催された「瀬戸内国際こども映画祭」における「エンジェルロード脚本賞」のグランプリ作品。受賞者の大森研一監督が故郷瀬戸内を舞台にメガホンを取った。日本で最初の国立公園の一つとして選定された「瀬戸内海国立公園」の80周年記念映画にも指定されており、島々が浮かぶ穏やかな海面風景から潮流激しい渦潮まで、風光明媚(めいび)な瀬戸内の魅力が余すところなく表現されている。
村上水軍とは日本に実在した海賊で、織田信長を撃退し、豊臣秀吉にもくみすることなく「自由と海」を愛した海の侍たち。本年度の本屋大賞を受賞した「瀬戸内海賊の娘」(著:和田竜さん)でも題材として扱われている。南北朝時代から戦国時代にかけて活躍し、戦では巧みに船を操り、火薬を用いた戦闘を得意とし、その一方で瀬戸内海の安全や交易・流通を担う重要な役割も果たしたという。
ストーリーは、海賊大将軍・村上武吉からの血を引き、島に住む少女・村上楓が12歳の誕生日に1本の縦笛を自宅の蔵から発見するところから始まる。村上水軍の埋蔵金を探す重要な手掛かりとなる笛に導かれ、少女と仲間たちの冒険物語が繰り広げられる。ハートネットワークの皆尾裕さんは「子どもたちの夢・希望を捨てないで冒険するところが見どころ」と話す。
主演の村上楓を務めるのは全国から1027人の応募者を集めたオーディションで選ばれた柴田杏花さん。さらに、子どもたちを支える島の大人たちとして、内藤剛志さんや石田えりさん、小泉孝太郎さん、中村玉緒さんら豪華俳優陣が出演する。
映画の主題歌「Diamond days~ココロノツバサ~」を歌うのは、徳島県出身の15歳、上野優華さん。瀬戸内を故郷に持つ伸びやかな歌声が、爽やかな感動をさらに後押しするという。
愛媛・香川・徳島では5月24日から先行公開される。通常前売り券(1,300円)は劇場で。