松山市立子規記念博物館(松山市道後)で1月6日、「子規さん俳句かるた大会」が開催され、市内の小学生をはじめとする参加者が熱い戦いを見せた。
松山市の市政130周年記念事業として、今年初めて企画されたもの。松山市が誕生した1889(明治22年)年は、当時22歳だった正岡常規が患っていた結核で初めて喀血(かっけつ)したことから、「鳴いて血を吐く」といわれるホトトギスと自分を重ね合わせて、ホトトギスを意味する「子規」を俳号として名乗り、俳人「正岡子規」が誕生した年でもある。
大会では「小学1~3年生の部」「小学4~6年生の部」のほか、ハイク(89)にちなんで、3人の合計年齢が89歳以上かつ1人以上の小学生を含むチームが参加する「世代間交流の部」も設けられ、3部門・計33チームの参加者が予選リーグと決勝トーナメントの団体戦で熱戦を繰り広げた。各部門の上位3チームには、子規記念博物館館長の竹田美喜さんから表彰状とメダルに加え、記念品として愛媛県特産の「紅まどんなゼリー」が贈られた。
ほかにも、未就学児によるジャンボかるた取りや高速餅つきパフォーマンスを実施。お手玉やあや取りなどの昔遊びを体験できるコーナーも設置され、多くの参加者でにぎわった。
「世代間交流の部」で優勝した「桜チーム」の室地育子さん、室地まりあさん、室地咲江さんの3人は、まりあさんが通う小学校が公民館からの誘いを受けたことでこの大会を知り、初めて「子規さん俳句かるた」に触れたという。まりあさんは「決勝戦の相手は同じ日浦小学校に通う友達のチーム。強いのを知っていたので、負けると思っていたけれど、1枚差で勝てた。子規さんの俳句では、『パノラマを見て玉乗りを見て日の永き』と『松山や秋より高き天守閣』が好き」と話した。
大会の運営に携わった子規記念博物館の大内平臣さんは、「たくさんの方に参加してもらい、にぎやかな大会になった。松山市内の小中学校や放課後子ども教室、児童クラブなどにはこの俳句かるたを配布しているため、子どもたちには比較的なじみがあると思うのだが、大人の方にももっと触れてほしいという思いから、今回は大人と子どもが一緒に参加できる『世代間交流の部』を設けて参加者を募った。『子規さん俳句かるた』を通じて、昔ながらの遊びを家族で楽しみながら、郷土の俳人である正岡子規や、俳句そのものにも自然と興味を持ってもらえるようになればうれしい」と話す。
「子規さん俳句かるた」は子規記念博物館1階の売店で販売(1,600円)するほか、各公民館にも配布している。