松山市の常楽寺(勝山町2、通称六角堂稲荷)で3月24日、春の大祭が行われ、恒例の「火渡りの行」に60人余りが参加した。
400年以上続くこの春の大祭は、毎年3月の最終日曜に開催されている。例年、餅まきや、祈とうを申し込んだ人を対象とした福引抽選会などが行われており、春の恒例行事として楽しみにしている人も多い。
「火渡りの行」では、大小のキツネの像が並ぶ稲荷堂の前で、参拝者が願い事を記した護摩木をたき上げる護摩祈とうに続き、まだ煙のくすぶる護摩壇の上を、修験者に続いて一般の参拝客が次々とはだしで渡った。
ベトナム人の友人と訪れた太田健登さんは「常楽寺の向かいにあるベトナム料理店で友人と食事をしていたら、煙が立ち上っているのが見え、何だろうと不思議に思って訪れた。渡る前は少し怖かったが、実際には心配していたほど熱くなかった。ベトナム人の友人たちと一緒に、面白い経験ができてよかった」と話した。
電車通りに面した赤い鳥居と六角形のお堂がシンボルマークの六角堂稲荷の歴史は、1340年ごろにさかのぼるといわれている。当初は松山城の山腹にまつられていたが、1625年ごろ、当時の松山藩主加藤嘉明によって現在の場所に移され、1951(昭和26)年に現在の稲荷堂が建造された。