花まつりの稚児行列が3月31日に松山市の銀天街で行われ、30人の子どもたちが華やかな冠や衣装を身に着けて街を練り歩いた。
稚児行列の開催は昨年に続いて2回目。松山市内の約170カ寺からなる松山市仏教会が主催している。「銀天街の猫寺」として親しまれる圓光寺(松山市湊町4)を11時ごろに出発して、南銀天街入り口までの往復約900メートルを40分ほどかけてゆっくりと進み、道行く人を楽しませた。
圓光寺の前には、花飾りで彩られたお釈迦(しゃか)様の像が置かれ、稚児行列を終えた子どもたちや通行人らがお釈迦様の像に甘茶をかけて花まつりを祝い、甘茶の接待を受けた。
世話役を務めた龍穏寺・西禅寺住職の中野裕道さんは「花まつりは、仏教の開祖であるお釈迦様の誕生日を祝うお祭り。本来は4月8日だが、稚児行列に参加する子どもたちの都合と、多くの人に楽しんでもらいたいとの思いから、これに近い日曜に開催することにしている。『お釈迦様』と言われても今の人はピンと来ないかもしれないが、昔からの伝統行事として、懐かしい思いで甘茶を手に取ってくださる人も多い。いろいろな宗教が共存している日本を象徴する光景の一つとして楽しんでもらえたのでは」と話した。