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松山市の山田敬宏さんが世界3大デザイン賞2冠を達成 点字ブロックに革新

「IDEA2019」で銅賞を受賞した、屋内用視覚障がい者歩行誘導ソフトマット「歩導くんガイドウェイ」

「IDEA2019」で銅賞を受賞した、屋内用視覚障がい者歩行誘導ソフトマット「歩導くんガイドウェイ」

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 松山市在住のデザイナー山田敬宏さん(リプルエフェクト、松山市保免上1)が開発に携わった「歩導くんガイドウェイ」が、世界3大デザイン賞の「IDEA2019」で銅賞を受賞した。

 「IDEA 2019(International Design Excellence Awards)」は、アメリカ・インダストリアル・デザイナー協会が主催するデザインコンペ。2016(平成28)年にパブリックデザイン部門で日本人として初受賞した「If Design Award 2016」の金賞に続いて、世界3大デザイン賞2冠目となる。

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 「歩導くんガイドウェイ」は、屋内用の視覚障がい者歩行誘導ソフトマット。製品を考案したのは、電気・通信設備や福祉製品開発事業を展開するトーワ(島根県松江市)の会長であり、自らも後天性の視覚障がいがある杉原司郎さん。従来の点字ブロックの形状や、屋内での設置範囲の狭さに不便を感じたことがきっかけだった。現在は、錦城護謨(大阪府八尾市)がトーワと共同で製造販売を行っており、山田さんはデザインや設計面で開発に携わっている。

 JIS規格で形状が定められた従来の点字ブロックは、病院内など特定の場所で「車いす利用者やストレッチャー、点滴スタンドなどの移動の妨げになる」「雨天時や凍結時に滑りやすくなる」などの理由から設置できないケースがある。

 「歩導くんガイドウェイ」は、点字ブロックと組み合わせて設置することで、視覚障がい者の移動の利便性をより向上することを目的に開発された。従来、点字ブロックの設置が難しかった病院などの屋内施設でも広範囲に設置することができ、全国の行政施設・図書館・大学・銀行やショッピングモールなどでも導入が進んでいる。

 利用者は、白杖(はくじょう)や足裏に伝わる感触のほか、床との輝度比でも誘導路を認識することができる。大きな凹凸のない、フラットでやわらかいマット上を歩けるため、安心感を得られることも特徴。両面テープで施工するため、常時設置だけでなく、イベント時などの一時利用にも対応できる。

 山田さんは「視覚障がい者用誘導路としての機能性を損なうことなく、それ以外の全ての人にも安心してストレスなく受け入れられる『リ・バリアフリー』を目指して、あらゆる点を考慮し、デザインに反映してきた。ピース状のマットをつなげて設置する製品だが、継ぎ目が見えない設計にこだわったのは、接合部のめくれなどの破損が、利用者のけがにつながらないよう安全性を重視したため。また、広くさまざまな施設で受け入れてもらうためにはインテリア性も重要と考え、従来の標準6色に加えて、新しく日本建築に溶け込む『和・色』シリーズ8色もリリースした。企業や大学のコーポレートカラーなどの特色製作にも対応でき、ピクトグラムによるインフォメーション表示を追加することも可能」と、開発上の細かな工夫を語る。

 「愛媛県内では、四国中央市役所や県立中央病院の眼科、愛媛銀行の支店などで導入されており、愛媛県立松山盲学校では卒業式の際に利用してもらった。今後、県内や松山市内の行政施設などでも積極的に導入を検討してもらえるとうれしい。次の目標は、優れた日本のデザインプロダクトとしてMoMA(ニューヨーク近代美術館)に収蔵されること」と笑顔を見せた。

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