「ユノマチベーカリー」(松山市道後湯之町4、TEL 089-948-8631)が11月16日、道後温泉駅西側の放生園近くにオープンした。
「生まれも育ちも道後」という店主の越智尚信さんは、25年にわたって1933(昭和8)年創業の老舗製パン会社「堤製パン」に勤務して経験を積んできた。「これまで独立などは考えたことがなったが、いろいろなありがたいご縁が重なり、環境が整ったのを機に『ユノマチベーカリー』の開店に踏み切ったと」と話す。
「最近は松山にもおいしいパン屋さんが増えたが、1個の値段がまるでケーキのように高くなってしまったと感じている。こだわりの高級パンも魅力だが、新しい店ではあえて手頃な価格で、大人の男性でも食べ応えのあるようなしっかりしたボリュームのおいしいパンを提供したい」と越智さん。「昔懐かしい菓子パンに、新しい技術やこれまでの経験をプラスして、一味違う進化したおいしさを味わってもらいたい」と意気込みを語る。
メニューは、チョコクロワッサン、クリームクロワッサンが75円、塩パン86円、クリームパンやカレーパン、マフィンやデニッシュなどの菓子パン類が162円~238円など。こだわり製法の食パンは1斤388円。
昨年2月にいよてつ高島屋で開催された「パン・グランプリ」で準グランプリを受賞した「伊予柑バゲット」(378円)も販売する。水を一切使わず、ポンジュースだけを使って仕込んだ生地に伊予柑ピールを練り込んで焼き上げたバゲットは、ほんのりとみかんが香るしっとりした生地に、伊予柑ピールのほろ苦さがアクセントとなっており、愛媛のおいしさがぎゅっと詰め込まれたご当地パン。
店主お薦めの「明太子フランス」(270円)は、今年2月に閉店した松山市勝山通りの人気店「松山マイセン」の名物パンを、同じレシピと製法で再現したもの。購入した松山市内の女性は「明太子の辛さとまろやかさのバランスがよく、ついもう一口と手が伸びるおいしさ。また食べられるようになって本当に嬉しい」と笑顔を見せた。
オープン初日の16日は15時、翌17日も16時には、ほぼ全ての品物が売り切れとなった。
約20坪の店内には、10席ほどのフリースペースを設けており、購入したパンをその場で食べることもできる。飲み物の持ち込みも可。
営業時間は7時~18時、定休日は日曜と、第2・4月曜日。現在、パンやサンドイッチなどの製造、レジでの接客などを担当するアルバイトも募集している。