松山市の宝厳寺(道後湯月町5)で白濱イズミさんのトークイベント「愛を紡ぐ、愛で紡ぐ道後めぐり」が2月23日に開催される。
「道後アート2019・2020」のプログラム「道後アートショーケース」の第1弾として行われた企画「ラブレター~愛で繋(つな)ぐ、愛で紡ぐ道後めぐり~」では、正岡子規や夏目漱石など、松山にゆかりのある文豪や、イベントを監修する白濱イズミさんが書いたラブレターを、道後温泉近辺の4施設で立体作品などとして展示。「目で、耳で、触って読む」をキーワードに、五感で感じられる世界を展開している。
「おれの様な不人情なものでも、頻(しき)りに御前(おまえ)が恋しい」の作品は、1901(明治34)年に英国留学に旅立って半年あまり経った夏目漱石が、妻の鏡子に宛てて書いた手紙の一節。「からだが本復(ほんぷく)したらちっと手紙をよこすがいい。」と妻からの手紙を待ちわびる言葉で結ばれる漱石のラブレターは、道後温泉本館を見下ろす「空の散歩道」西側の壁に描かれている。
正岡子規の作品は「うたたねの 夢さへものを 思はせて 憂をかさぬる 恋もするかな」。子規の歌集「竹乃里歌」に収められており、1885(明治18)年、大学予備門の生徒として東京で生活をしていた頃のもの。切文字で立体的に仕上げた作品は、伊予鉄道道後温泉駅の北西側に位置する「道後温泉第4分湯場」(魔導後湯之町7)に展示されている。全4作品とあわせ、道後温泉周辺を回遊しながら、街の風景に溶け込む時代を超えたラブレターの競演を楽しむことができる。
トークイベントでは、白濱さん自らが、企画や作品について、また、一般から寄せられた作品についての講評などについて対談を行う。
ラブレターの展示は、道後温泉空の散歩道(夏目漱石)、道後温泉第4分湯場(正岡子規)、飛鳥乃湯泉および椿の湯(白濱イズミ)で、2月28日まで。