家具や照明などの企画・販売を行う日昇(伊予市米湊)が、生活になじむIoT製品「スマートLED電球」と「木目調スマートコンセント」を開発。3月末ごろ販売を開始する。
開発したのは、2019年9月に社内で立ち上げた新規事業「IoTグループ」。4人のメンバーが、会社の主力事業であるインテリアEC事業のノウハウを生かして「家の中で使える、インテリアの延長として生活になじむIoT製品」を目標に商品開発を行い、「TOLIGO(トリゴ)」ブランドを立ち上げた。
ブランド名は「モノや光を、インターネットを用いて動かす」の思いを込め、「Things(モノ)」と「Light(主要商材であるインテリア照明)」「Go(動かす)」などの頭文字を取って名付けたもの。
今回発売する「スマートLED電球」と「木目調スマートコンセント」はいずれも、一見通常のLED電球やコンセントと変わらないシンプルな見た目。通常の製品と同様の使い方もできるが、専用アプリ「TOLIGO」と組み合わせることで、多様な機能を発揮する。
IoT家電が持つ「敷居の高いテクノロジー」というイメージを打破して多くの人に気軽に受け入れてもらえるようにと、「スマートLED電球」では通常の照明と同様、壁スイッチやリモコンでも基本的な操作ができる「マルチコントロール」方式を採用した。
リモコンで操作できるのは、調色・調光とチャンネル登録などの基本機能。電球色・昼光色など、光の色と明るさをシーンに合わせて変えられるほか、複数の電球を4つのチャンネルに登録することで、自由に組み合わせてコントロールできる。
専用アプリ「TOLIGO」と組み合わせると、「スマートLED電球」「木目調スマートコンセント」共に、外出先からの遠隔操作やタイマー設定などに加え、自動化機能を利用した設定や、同社で開発中のセンサーとの連携が可能に。
「外出先から電灯や電源のオンオフを確認、コントロールできる」「住んでいる地域の日没時間に合わせてイルミネーションを点灯する」「一定の室温や湿度になったら扇風機や加湿器の電源を入れる」「玄関ドアを開けると室内の照明が点く」など、IoT家電ならではの機能を発揮するほか、スマホやスマートスピーカーを通じた音声での操作もできる。
これらの2商品は、発売に先行して「Makuake(マクアケ)」で、1月24日からクラウドファンディングを実施。「スマートLED電球」では目標の111%、「木目調スマートコンセント」では170%を達成して2月24日に終了した。
広報を担当する日昇の垣内幸子さんは「スマホの普及は10年前と比べて各段に進んでいるが、日本では世界的にもIoTの普及が遅れている。クラウドファンディングで『木目調スマートコンセント』が想定以上の人気を集めたのは、機能性よりもインテリア性の高さが評価された結果ではないかと考えている。デザインの工夫が、IoT製品購入の敷居を下げることができたのであればとてもうれしい」と手応えを語る。
「IoT製品は、他の新しい製品との組み合わせやアプリのアップデートなどを通じて、シンプルな製品に後から機能を追加できることも優れた特徴。『IoTをもっと日本で普及させたい』という目標に向けて、これからも、今の世の中にないもの、みんなの期待値を超える製品をリリースできるよう開発を続けたい」と今後への意欲を語った。
希望小売価格は「木目調スマートコンセント」1口タップタイプが2,750円、4口USB付きタイプが4,400円。「スマートLED電球」は2,750円。3月5日から、楽天市場のショップ「快適ホームズ」で予約販売を開始している。今後は、家電量販店・雑貨店・インテリア用品店などの販路開拓にも注力する。