四国初のご当地プロレス団体「愛媛プロレス」が、5周年記念ビッグマッチの「無観客試合ライブ配信」を実現するため、クラウドファンディングに挑戦している。
クラウドファンディング実施の経緯について、代表のキューティエリー・ザ・エヒメさんは「今回の新型コロナウイルス流行の影響で、エンターテインメント業界は非常に大きな打撃を受けている。『無観客試合のライブ配信』という形で5周年興行を実現することで、楽しみにチケットを購入してくれていたお客さまに試合をお届けしたい。参戦のためスケジュールを押さえてくれていた他団体のレスラーにもギャランティーを支払い、経済活動の停滞を少しでも防ぎたいと考え、挑戦を決めた」と話す。
「愛媛プロレス」は、キューティエリーさんが「プロレスで愛媛に笑いと感動を届けたい、愛媛を元気にしたい」と、2016(平成28)年に旗揚げした団体。イベントの主催者が出資して商業施設や商店街などで興行を行い、観客は無料観戦できるスタイルで「地域発・地産地『笑』のエンターテインメント」として発展してきた。
旗揚げの2016(平成28)には1年間で11回のみの興行だったが、徐々にファン層を広げ、昨年には3回の自主興行を含む年間118回のイベントを開催。これまでに延べ10万1018人の観客を動員している。興行以外にも年間60回以上、介護福祉施設や障がい者施設に「レスラーが元気を届ける訪問活動」を行う。
2018(平成30)年の西日本豪雨の際にはレスラーやスタッフが、被災地域への物資の配送や浸水家屋の復旧作業などのボランティア活動を行った。これをきっかけに、代表のキューティエリーさんが「伊予観光大使」に就任。昨年4月には、マスクの頂上からティッシュを出しているレスラー・凡人パルプさんが、出身地でもある「紙の町・四国中央市」の観光大使に就任するなど、幅広い活躍で地域の活性化に貢献している。
キューティエリーさんの「双子の妹」で、愛媛プロレスの立ち上げに携わった田中えり奈さんは「地元商店街などのイベント運営に携わる中で、ローカル独自のコンテンツをつくり、エンタメの地産地消を実現できないかと考えていた時、老若男女を問わず、何度見ても楽しめるエンターテイメントである『プロレス』に出合った」と話す。
「『愛媛プロレス』が目指すのは、吉本新喜劇のような笑いやコミカルな要素と、劇団四季のような美しい動きの融合。子どもたちには、ぐるぐる回ってドンバンと人間が飛び交う『実写版ヒーローショー』として、大人には予想を裏切り期待を超えるドラマチックな展開と、レスラーたちの成長を応援する、リアリティーショーのような感覚で楽しんでもらえればうれしい。全国のプロレス団体から参戦してくれる有名選手の迫力ある試合や、思わず応援したくなるイケメンレスラーも取りそろえ、幅広い層の人に、それぞれの楽しさを発見してもらいたいと思っている」と田中さん。
「会場で大きな声を出して応援していると、無意識に自分を重ねてしまうのか、応援の声が自分に跳ね返って来るようで、不思議と楽しくなり、元気が出る。プロレスで大事なのは、勝ち負けではなく盛り上がり。負けても記憶に残った人が勝ち、という点も、プロレスの魅力の一つなのかもしれない」と笑顔を見せた。
クラウドファンディング「コロナで中止させない!『愛媛プロレス5周年興行』無観客試合配信」は、CAMPFIREで4月10日23時59分まで支援を受け付ける。